こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
前回の記事【子どもが幸せに生きていくために大人ができること②~環境を整えよう編~】の続きをお送りします。
子育てを家庭の中だけで抱え込まない
子育ての責任が重くのしかかる親。
多くの家庭では「子どものことは自分でなんとかしなきゃ」と、家庭の中だけで抱え込んでしまっています。責任感が強く「周囲に迷惑をかけてはいけない」となかなか人を頼ることができません。
子育てをおこなっていく上で大切なのは、悩みや問題を家庭の中だけで抱え込まないこと。できるだけ周囲を頼ること。
ですが、このように家庭の中だけで抱え込み、孤立してしまうことは少なくありません。
親は子どものことを思い、なんとか困らないようにしてあげようと必死になってしまうため、冷静に平常心で子どもと向き合うというのは難しいものです。
しかし、子育てを終えた年配の方々は、責任が重くのしかからない分、子どもを冷静に「あるがままの存在」として見てあげることができます。
子どもたちもまた、そんな年配者たちに自分の「あるがまま」を受け入れてもらえることに安心し、素直に自分を表現し、年配者たちの言葉や行動を「あるがまま」受け入れることができるようになります。そうやって、互いに認め合えるようになっていくのです。
そんな年配者と子どもたちの間で交わされるやりとりや遊びには、親との間にはない特別なものがあります。それらを通して、子どもたちは新たな学びを得て視野を広げていくことができるのです。
働きに行かなければならない親世代とは違い、年配者と子どもたちには、お互いに自由な時間があり、その時間を共有しやすいところにも良いところがあります。
ゆとりのある時間の中で、子どもの突飛な発想を否定せずに受け止められたり、子どもの空想にゆったりと付き合えたりすることが、子どもの創造性を育てることに繋がります。年配者にとっても、子どもたちとの交流は、活力や自信をもたらし、元気な生活に繋がるものとなります。
世代間交流にはこうした利点があるため、近年では高齢者施設と保育所を併設し、子どもたちと年配者が積極的に交流できるよう取り組むところもあるくらいです。
これはひとつの例ですが、このように親以外の大人と交流することは、子どもにとってメリットがあることなのです。
地域には色々な人がいます。普段はなかなか交流する機会がないと思いますが、地域活動に参加することで、地域の色々な人たちと交流することができます。様々な世代の人と接し、世代間交流を深めたり、色々な職業の人から話を聞いたりすることもできます。
人との交流だけではなく、ボランティアを体験したり、自然と触れ合ったり、様々な体験の機会がそこにはあります。
こうした場所に積極的に参加することで、子どもの成長の幅を広げられるようになるのです。
また、学校や保育園・幼稚園、児童館などでは、他の子どもたちとの関わり合いの中で子どもは成長することができます。こうした場所には、先生をはじめとした専門家たちがいるので、子どもだけでなく親もこうした専門家を頼って、子育ての協力を得られるようにしておきましょう。
親同士でも分かり合えること、情報共有できることは多いですよね。地域活動や学校などで出会う他の子の保護者とも、交流を持つようにすると良いでしょう。
子育ては家庭の中で抱え込まず、地域活動などで色々な人と交流し、頼れる人や場所を積極的に得られるようにしましょう。
それが、子どもの成長の幅を広げることに繋がっていくはずです。
親世代の働く環境・働き方を見直すことも視野に入れる
共働き家庭が増加し、長時間労働が強いられる親世代の労働環境。
そうした環境で生活のために必死に働き、大人はみんな疲弊しています。
平日には、家族全員が揃って食事をとることは少なく、夜にゆったりと家族団欒をするゆとりもない。時間に追われ、ただただ日々の日課をこなす毎日。
子どもの話をじっくりと聴くこともなかなかできませんよね。
家事をしている間、子どもの遊び相手になるのはタブレットやテレビ、ゲームなど。
親の就寝時間が遅いと子どももそれに引っ張られ、睡眠の質や量が低下します。
現代の子育てで問題となっていることのほとんどは、この忙しさが起因となっているのではないでしょうか。
生活のために、忙しく働かなければならない。
多くの人はそう考えているのではないかと思います。
しかし、長時間働いたところで、収入は大きく増えるでしょうか。会社の利益は大幅に増えるのでしょうか。
人間の身体は機械ではありませんので、働けば働くほど疲弊します。
疲弊したら休養が必要ですよね。エネルギーが僅かしかない状態でいくら時間をかけて仕事をしても、残ったエネルギー分の仕事しかこなせませんし、倍以上に疲れを感じるものです。逆に、休養をとりエネルギーが十分にある状態なら、少ない時間でも大きな成果が出せることだってあります。
スマホの充電量で例えるとわかりやすいですよね。フル充電されている時はサクサク動くのに、残り20%くらいになってくると、動きが鈍り、バッテリー消費も加速します。
自分の体をこのように酷使してしまうと、いずれ限界がきます。病気になったり、命を落としてしまっては、元も子もありませんよね。
日本には長時間働くことが良いという風潮がありますが、これは事業主にとって都合がいいだけであるということを知っておいてください。安い賃金で長時間労働をしてくれる労働力があれば事業主としては好都合なわけです。
本当にあなたの人生にとって、長時間労働は必要でしょうか。
家族との時間、子どもとの時間。ゆったりと心と身体を休め穏やかに過ごす時間。そんな時間は今しか過ごせません。
今という時間はその時を過ぎると取り返すことはできません。特に子どもの成長は待ったなしです。
その時その時の成長を実感しながら、どれだけの関わりを持ち、心の繋がりを強くしていくのか。そうした日々の積み重ねが、子どもの人格や将来の子どもとの関係に影響してくるのです。
今の働き方を変える方法はいくらでもあります。
・働く時間帯や曜日、日数、場所などをフレキシブルに調整できるように交渉する
・時短勤務や休暇制度を十分に活用する
・希望の勤務で働ける会社に転職する
・フリーランスとして個人事業を起業し、自分で勤務調整をする
など、やろうと思えば今すぐにでも、できることはあります。
苦しい思いをしながら、身も心も削りながら働く。大切な家族のために働いているはずなのに、大切な家族との時間は僅かしかない。
それは本当に望んでいることなのでしょうか。
それは本当に子どものためになっているのでしょうか。
自分がどう働くかは、自分がどう生きるかに繋がります。そして、その姿を子どもは見ています。将来どんな大人になるかを考えるとき、子どもがロールモデルにするのは身近な大人の姿です。
子どもとの今しかない時間を過ごすためにも、子どもに自分の生きる姿を見せるためにも、今の働き方で良いのか一度考えてみる。そんな時間を持つことも必要なのではないかと思います。
最後に
子どもが幸せに生きていくために、私たち大人ができること。
子育てをしていく上で、関わり方や与える環境を見直していくことが大切だという話は、いろいろな所で見聞きしているのではないかと思います。
しかし、そうは言っても実際に行動に移すのは簡単なことではありませんよね。
お金をかけて解決できるようなことではないし、即効性のある魔法の言葉や道具があるわけでもありません。シンプルだけど継続しなければならないことばかり。
しかしそれでもやり続けることができたなら、ふとした瞬間に子どもから予想以上に大きなプレゼントをもらえるものなのです。
そうやって地道に積み重ねたものこそが、子どもの心を豊かに育てる栄養源となり、子どもはその栄養をもとに最大限の力を発揮するようになるのです。
「関わり方や与える環境の見直しができる人は、意志が強い人なんだろう」「自分にはなかなか真似できない」そう思っている人は多いのではないでしょうか。
確かに意志の強さで行動を変えている人も中にはいるのかもしれません。しかし、ほとんどの場合は行動を変えられるように、環境や生活習慣を工夫しています。
例えば「イライラしてしまう」なら、十分な睡眠がとれるように早く寝る。早く寝られるように、パソコンやスマホ、タブレットは寝る2時間前には電源をオフにする。生活のスケジュールを前倒しにする。
そうした工夫を「する」か「しない」かが見直しが「できる」か「できない」かに繋がっているのです。
現状を変えたいと願うなら、“今”を変えるしかありません。
子どもの幸せを願うなら、そうなるように“今”行動を変えるしかないのです。
前編・中編・後編を通してお伝えしたもののうち、ひとつでも良いです。
この記事を閉じて、すぐにやってみてください。
それが“今”を変えるということなのです。
<参考文献>
「幸せに生きる力」を伸ばす子育て―日本の子ども観・子育て観を見直す
進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」 (海士の風)
フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか (ポプラ新書)
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