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神経発達症(発達障害)の適切な関わり方とは

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

神経発達症(発達障害)のお子さんにどう接すればいいのか、悩んでいませんか?

特性による困りごとは、本人も周囲も苦しいですよね。

今回は神経発達症(発達障害)の適切な関わり方について解説させていただきます。

適切な関わり方や環境設定をすることで、困りごとを減らし、生きやすさを感じられるようサポートしていきましょう。

 

 

 

神経発達症(発達障害)の主な特徴

自閉スペクトラム症ASD

言葉のイントネーション(抑揚)や表情から他者の考えや思いを推測するのが不得意です。そのため、対人関係の難しさがあります。

また、特定の行動を繰り返すなど、行動や興味などに独特のこだわりを示すため、一般的な社会性は求めにくいところがあります。

注意欠如・多動症ADHD

忘れ物をしてしまう・物を壊してしまうなどの不注意や、集中できない・落ち着きがないなどの衝動性があります。それによって、失敗や誤りを繰り返すため注意されやすく、自己否定を繰り返し自信を失っていることが多いという特徴があります。

限局性学習症(LD)

知的発達には問題がないのに、頑張っても学習の効果が上がらず、学習の習得に大きなばらつきが見られます。

【読む・書く・聞く・話す・計算する・推論する】

このいずれかが著しく苦手です。

ASDの関わり方

環境の工夫

・落ち着ける環境をつくる

・見通しがもてるよう事前に「何をするのか」「どうするのか」を伝える

・活動の区切りはハッキリとわかるようにする

伝え方の工夫

・具体的に伝える

・シンプルでわかりやすい言葉を使う

・視覚的にわかる伝え方をする

 (絵・文字・身振り手振り・表情・物を見せながら等)

対人関係の工夫

・人との関わり方を教える(ロールプレイングで練習する等)

・自分の気持ちの伝え方を教える

・パニックには冷静に対応する

ADHDの関わり方

環境の工夫

・刺激を少なくする

・予定やルールを見えるところに貼る

・持ち物リストをつくる(メモやリマインダーを活用する等)

・手順表を見えるところに貼る

※これらの対策を一緒に考えると良いですよ

多動性への工夫

・体を動かせる役割を与える

・動いてOKの時間をつくる(メリハリをつけられるように)

ハンドスピナーを取り入れると良いという意見もあります

 
こんなかわいいものもありますよ!

衝動性への工夫

・焦らずおおらかな気持ちで関わる

・待つことの大切さを教える

・正しい行動に気付ける言葉がけをする

※落ち着いている時には分かっていることを思い出せるようにサポートすることがポイントです

情緒面への配慮

・スモールステップで成功体験を増やす

・正しい行動を説明し、一緒に行うことで行動を修正できるようにサポートする(否定感が増すため、特性による失敗や誤りを繰り返し指摘することは避ける)

・頑張っているところ・できているところをほめる

※自信が持てるように、できないことよりも、できることに注目してあげましょう

集中が切れてきた時には

・ツボを押す

・二の腕をぎゅっと握る

※ボディタッチで覚醒させてあげましょう

LDの関わり方

環境の工夫

・その子に合う道具や教材を用意する

・どうすれば勉強しやすくなるのかを一緒に考える

※鉛筆がうまく扱えない子は、計算スペースや文字を書くマスを大きくしてあげましょう

板書が苦手な子はプリントで渡してあげたり、文字を読むことが苦手な子はルビをふってあげたり、必要な配慮を話し合うことも大切です

学習中の距離のとり方

・その子のペースに合わせる

・「まだ○年生だから…」と放置しない

・放っておかない程度にほどほどの関わりをする

・苦手な部分には早く気付く

※できること、できないこと、何に躓いたかをよく観察しましょう

声の掛け方

・叱らずに一緒に考える

・得意分野にも注目し、ほめる

・過程(道すじ)を丁寧に教える(どうしてそうなるのかを理解できるように)

配慮すること

・量をこなすより1つずつ着実に(少ない問題を丁寧に解く)

・「文字を読む」ことが苦手な子は「音声」で伝える

・「音声」で理解しにくい子は「文字や図」で伝える

・「文章はマーカーや線を引くと読みやすくなる」などの自分でできる工夫の仕方を教える

※カラーバールーぺ・リーディングルーラー(読書ガイド)等の道具もあります

 

集中力を保つために

大人が前に座ってあげると集中力が上がります。

できていると思って台所に立ったりすると集中力は下がってしまうので、そばに座って読書や書き物をしながら見守りましょう(スマホ操作はNG)。

最後に

神経発達症(発達障害)の特性を持った子は、やりづらさや困りごとを抱えていますが、なぜうまくいかないのかが分かりません。自分で解決することができないので、身近な大人たちが特性を理解し、うまくいくようにサポートしてあげなければなりません。

困った行動や失敗が多いため、大人はつい叱りたくなってしまうと思いますが、本人はどうしようもない苦しみを抱えているのだということを思い出してあげてください。

 

ただでさえ傷つきやすい環境にいるので、できるだけ良い面を見つけ、たくさんほめて、その存在を認めてあげてください。

「お母さんがほめてくれた」「お父さんが認めてくれた」と感じると自信を持つことができ、精神的にも落ち着いてきます。

 

そして、特性からどうしてもできないことには、適切な配慮を提供してあげましょう。

今はサポートする道具もたくさんあります。幼稚園・保育園、学校にも協力してもらいながら、環境を配慮してあげることで、特性が目立たなくなることもあります。

 

そして、本人の声を聞いてあげることも大切です。

どうすれば安心するのか、何に困っているのか、どうしたいのか。

子どもは言えずに溜め込んでしまっていることも多いものです。

よく話を聞き、安心できるようにしてあげましょう。

 

大切なのは、本人と周りの人の困りごとを少なくすること。

負担になっていることを減らし、できることを増やすために何が必要なのか、という視点を持って関わりましょう。

 

 

<参考>

発達障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

発達障害の理解|厚生労働省(PDF)

 

こちらの記事もチェック!

・『神経発達症(発達障害)って?〜種類と特性を解説〜』 - ぐろーいんぐあっぷ!

・『二次障害って何?』 - ぐろーいんぐあっぷ!

 

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