ぐろーいんぐあっぷ!

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~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

自分も他人も苦しめる「べき思考」

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

「○○してはいけない」

「○○すべき」

 

こうした言葉を聞くと、苦しい気持ちになりませんか?

 

選択肢がない・限定的だと、自分の本当の気持ちを心の奥に無理やり押し込めて、望まない選択をしなければなりません。

 

そして「相手が望む結果を自分は達成できないかもしれない・・・」

そんな焦燥感にも駆られてしまうことになります。

 

今回は、こんな「べき思考」にとらわれてしまっている上司・先輩・親・パートナーなどと、どう接していけばいいのかについてお伝えしたいと思います。

 

 

 

べき思考とは

『べき思考』とは「認知のゆがみ(推論の誤り)」と言われるもののひとつに挙げられます。

人の認知(物事のとらえ方)は人それぞれ個性のあるものですが、それが過度に偏ってしまい問題が起きている状態を「認知のゆがみ」といいます。

 

例えば、同じ出来事でも「楽しい!」と捉える人がいる反面、「苦しい!」と捉える人もいますよね。

こうした偏った考え方は、自分自身も周囲の人も苦しめてしまうことになりかねません。

特に「~すべき」「~すべきではない(してはいけない)」と自分や周囲の人の言動を強要したり批判したりしてしまう『べき思考』はその代表的なもののひとつです。

べき思考が苦しくなる理由

「人には親切にすべき」

「仕事はきちんと正確に最後までこなすべき」

「嘘をついてはいけない」

 

こうした考えをもっていることは、とても尊いことです。

しかし、いつも必ずできることでしょうか?100%できなければならないでしょうか?

状況によってはできないこともあるはずですし、完璧でなくても物事は案外うまくいくものです。

 

『べき思考』を持っていると、できなかった時、できない自分を責めたり否定したりして辛くなってしまいます。

また、他者に対してこうあるべきと求めてしまっていると、少しでもできなかったら、その相手のことを批判したくなってしまうものです。

どちらも悲しいですよね。

 

また、これからたくさんのことを学んでいく子どもに対して

「言われた通りにするべき」

「男らしく/女らしくあるべき」

「学校に行くべき」

などと求めてしまうと、子どもはのびのびと自分らしく成長できません。学校から逃げたい時、それを受け止めてもらえないと子どもの心はどうなるでしょうか。想像してみてください。

 

大人は子どもの将来を思ってこう言いたくなるものですが、そこには「子どもを思い通りにコントロールしたい」という思いが同時にあるものです。

子どもはそうした思いを敏感に感じつつも、「親だから/先生だから言うことを聞かなければ」と苦しんでいます。

そして、「できなかったらどうしよう・・・怒られるのは嫌だ」とプレッシャーを感じ、自分を抑えて生活してしまうのです。

 

こうしたことから、べき思考は自分自身だけでなく周囲の人や大切な子どもまでも苦しめてしまうと言えるでしょう。

対処方法

「すべき」から「○○だと良いよね」

「してはいけない」から「しない方が良いよね」

と考え方や言い方を少しマイルドにしてみるとどうでしょうか。

印象が大きく変わりますよね。

 

身近に『べき思考』の人がいる方は、言われたことを自分の頭の中でマイルドな言葉に変換してみましょう。

それだけでもスッと心が軽くなるはずです。

それに、そもそも「○○すべき」と言うその人の意見に100%応える必要はありますか。

答えはあなたの心に浮かんだとおりですよ。

とりあえず「60%くらいできてればいいでしょ♪」くらい軽く受け流してしまいましょう笑

 

これは、自分の中にある「相手の要求に応えるべき」という『べき思考』を「相手の要求に応えなくてもいいか」に変換することでもあります。

 

結局のところ、自分の中の『べき思考』にうまく対処することが大切だということですね。

最後に

『べき思考』に囚われてしまうと、自分らしさが発揮できなくなります。

もちろん目標をもって行動することは大切ですが、それを過度に捉えすぎるのはあまり良いとは言えませんよね。

『ほど良い加減』を知ることもまた大切なのです。

バランスを保って、自分の心を自由にのびのびと解放してあげましょう!

 

 

<参考>

図解 認知のゆがみを直せば心がラクになる (扶桑社ムック)

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

認知の歪みと主観的不健康感の関係(追手門学院大学

 

 

 

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20220808184343

◆ 『子どもたちを笑顔にする保育』

◆ 『学校では教えてくれない 子ども支援のいろは』

◆ 『新人放デイ職員のためのお悩みQ&A』