こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
今日は七夕ですね🎋
年中行事は季節の移り変わりを感じられるとてもいい機会ですね。
特にまだ幼い子どもたちには、四季折々の日本の気候やそれにともなって生まれた日本の文化を教えていくことが大切です。
ご家庭や園、学校、施設などで是非季節の行事を楽しんでくださいね!
ということで、先日に引き続き七夕の絵本をご紹介します。
たなばたのねがいごと
作:村中李衣
絵:えがしらみちこ(江頭路子)
発行:2018年6月5日 世界文化社
リアリティがあり、子どもが自分の日常と重ね合わせられる物語です。
他者を思う気持ちの育ちから、主人公の成長が感じられます。
共感しやすいのは年長さんくらいのお子さんだと思います。
乳児さんや年少さんには少し早いかも。
ある程度長いお話に集中できる年齢のお子さんにオススメです。
登場人物
・あおい
・おばあちゃん
・園の先生
あらすじ
あおいは園で七夕に向けて短冊に願い事を書きます。
クラスのみんなは「○○がほしい」と思い思いの願い事を書きます。
それを見た先生は、
「いろんな願い事が書けたわね。でもね、本当に素敵な願い事は時間がたっても壊れたり無くなったりしないものなのよ。」
と子どもたちに話します。
その聞いた あおいは考えました。
「時間がたっても大事なもの?それって何だろう?」
いつも あおいを迎えに来てくれるおばあちゃんに、あおいはそのことを尋ねました。
おばあちゃんは、
「お花がきれいに咲いてくれるワクワクは、時間がたってもなくならないねぇ」
「あおいが元気に育つ嬉しさもきえないねぇ」
そう答えます。
あおいは首を振り、
「願わなくても、当たり前だよ」と言います。
家に着くと花屋で買ったひまわりをおじいちゃんの写真の前に飾るおばあちゃん。
「おばあちゃんも織姫様みたいに、おじいちゃんに会いたい?」と尋ねるあおい。
おばあちゃんは「そりゃ、会いたいさ」と答えます。
「ずうっと一緒に歩いていこうって、約束したのにねぇ」
あおいはその夜
「大好きでも、ずっと一緒にいられないのかなぁ」と考え、心配になります。
次の日、あおいは先生にお願いして自分の短冊を外してもらいます。
そして新しい短冊に時間がたってもなくならないお願いを書きました。
お迎えの時間になり、おばあちゃんがやってきました。
あおいは転んでしまい、びっくりしたおばあちゃんは膝が悪いのに駆けてこようとします。
しかし、あおいは「おばあちゃん、ストップ!」
と言って一人で立ち上がりました。
おばあちゃんを気遣う言葉をかけながら。
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七夕の願い事を通して、本当に大切なものに気付いていく物語です。
一生懸命考えて見つけたその答えは、とても温かな思いです。
そして大切な人を気遣う優しさも芽生えます。
あおいの心の成長がとても感じられて、読み手を勇気づけてくれる絵本です。
さいごに
願い事といえば、すぐに思い浮かぶのは「○○が欲しい」「○○に行きたい」など一時的な欲求ですよね。しかし、その願い事は叶ってしまえば喜びは薄れ、また他のことを願ってしまいます。
底なしの欲望として、常に何かを求め、不足を感じることでしょう。
その不足感はきっと愛の不足感。
物や嗜好品で満たすのではなく、愛で満たしてあげなくてはいけないんですよね。
この物語で、あおいがおばあちゃんのことを思うことができたのはきっと、おばあちゃんからの愛で満たされていたからでしょう。
愛を感じる関わりは、とてもささやかで、お金もかからない、シンプルなものです。
優しく包み込むまなざしや態度、ふれあいや会話、一緒にいる時間・・・。
そうしたものを惜しみなく子どもたちに与えてあげられるといいですよね。
日頃は忙しくても、ちょっと一呼吸ついて、今しかない時間を七夕の夜に過ごしてみてくださいね🌠
<ご紹介した絵本はこちら>
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