こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
夏休み。お子さんたちはお家で好きなことをしたり、お友達と遊んだり、習い事に励んだり、楽しい時間を過ごしていることでしょう。
しかし、親御さんたちが気になるのは、夏休みの宿題の進み具合。
夏休みの最終日に慌てて・・・なんてことになったら大変。
そんな心配を抱えてしまいますよね。
できれば自分から早めにやり進めてほしいけれど、お子さんに任せているとなかなか進まないから痺れを切らして怒ったり急かしたりしてしまうものです。
イライラするのも嫌だし、言ったところで不機嫌になったりやらなかったり、結局うまくいかない・・・。
そんなママパパのために、宿題の促し方をご紹介します!
やる気スイッチが入らない理由
子どもたちにとって、夏休みの宿題とはとても膨大な課題です。
大人にとっては簡単なドリルも子どもにとってはちょっと頑張らなきゃいけないもの。
大人になってもそうですが、「たくさんやることがある」と感じたり、「ちょっと難しい課題」だと感じると、気が重たくなるものです。
やってしまえばあっけなく終わらせられることでも、他にもやることが色々あると後回しにしてしまうことってありますよね。
あれもこれもあって、どこから手をつければいいのかわからない。
やり慣れていない課題だと、やり方がわからない、考えるだけで疲れる。
期限が先だとより一層こうした心理が働いてしまうものです。
子どもたちにとって夏休みの宿題は、達成するのに時間もエネルギーもかかる気が重くなる課題。
だから、なかなか自分からはやる気になりにくいのです。
課題をスモールステップに変えよう
「膨大に感じる」夏休みの宿題。
この捉え方を変えることができれば、やる気も上向きになります。
それは、スモールステップ化するというもの。
課題を達成するために、今すぐにでも取り組みやすい量やレベルに細分化するという方法です。
例えば、ドリルの宿題であれば、終わらせる日(自分の中での締切日)を決めて、ページを日数で割って1日に取り組む量を決めるということです。
「全部やる」だと途方もなく感じますが、毎日数ページなら負担は少なく感じられますよね。
苦手な教科であれば、取り組む問題数を減らしてあげて、代わりに取り組む期間は長めに余裕を持って設定するといいですね。
作文であれば、「何について書くか」「印象に残ったことをいくつか書き出す」「何を一番言いたいのか」など文章を書く上での骨組みを考える段階を作り、とりあえず書きやすいところから書き、いくつか文章のまとまりができたらそれを繋げる。
その工程を数日に分けて取り組んでいくと負担は少なくなります。
“今日やるのはこれだけ"が明確になれば、日々達成感を感じながら取り組むことができます。
課題を細かくして、お子さんが集中できるようにすることがポイントです。
達成できる計画の立て方を教えよう
スモールステップに変えると言っても、その加減が難しいところ。
まずは得意・不得意で分けたり、その子の集中が続く量にしたり、お子さんがちょっと頑張ればできる、負担が少なくできる量にすることが大切です。
それを知った上で、次は計画についてお話しします。
子どもたちは自分で計画を立てなさいと言うと、無謀な計画を立てることが多いですよね。
小学生くらいのお子さんは、宿題がどれくらいの期間で終わらせられるのかが具体的に予想することが難しいのです。
「頑張ればできる」という根性論で考えるのがやっとなんですよね。
せっかくの夏休みなので、子どもたちには宿題を進めつつも友達と遊んだり、旅行やお出かけなどで長期休みにしかできない体験をしたり、充実した時間を過ごしてほしいものですよね。
楽しいことと学習とをうまくバランスを取りながら過ごせるようにするには、大人が計画の立て方や課題のタスク量とそのスモールステップ化を教え、学ばせてあげる必要があるのです。
これは将来、自立して勉強する、自立して生活を営む、仕事をこなしていく、などができるようになるために必要なスキルです。
どんなスキルもそうですが、自発的にできるようになるものではなく、誰かが教えることで理解してできるようになります。
できている子は誰かに少なからず教えてもらう機会があったはずです。
しかしここでよく勘違いされるのは、子どもの宿題を全て管理して、計画を代わりに立ててその通りやらせるという方法を「教える」と思っている場合です。
これは、子どものためにと手をかけているようで、自立の機会を奪うものです。
あくまで宿題を管理する・計画を立てる主体は子ども。
大人はプロセスを教えるだけです。
課題がいくつあるのかをリスト化し、それぞれの課題を終わらせるまでにどれくらいの期間が必要なのかを一緒に考えます。その時に1回の取り組みあたりどれくらい集中が持ちそうかを考えておくといいでしょう。
集中が続きやすいタイプのお子さんは、一気にやりすぎて息切れしないように量や時間を調整し、集中が続きにくいタイプのお子さんは、課題を細かく分割し、休憩を挟んだり別の課題に切り替えたりしながら集中が続くように計画を立てます。(例えば、10分取り組んで5分休むの繰り返しでトータル1時間集中できるようにするという方法です)
そして、夏休み期間のスケジュールと照らし合わせながら、いつ何の宿題をするのかを当てはめていきます。
「今日は最低限ここまでやる」と目標が定まれば、あとは行動するだけなので比較的取り組みやすくなります。
しかし、嫌なことは後回しにしたくなるもの。
やらなきゃと思いつつもダラダラしちゃって気づけば夜、なんてことにならないように、やる時間を決めておくといいですね。
できればこの時、お子さん自身に決めさせてあげるといいです。自分で宣言したことは、人に指示されたことよりも守ろうとするからです。
①朝食の後 ②ラジオ体操の後 ③昼食の後
といった中から選ばせてあげるのも一つの方法。
こんな風にして、計画の立て方を教えてあげましょう。
そのあとは進捗を確認しながら、計画通りに課題が達成できるようにサポートをしてあげてください。
それを繰り返していくことで、子どもは少しずつ計画の立て方と自分の力量、力みすぎない課題のこなし方を身につけていくようになるのです。
集中が続くようにするためには
計画を立てるステップでも、集中が続くように休憩を間に挟んだり、別の課題に切り替えたり、計画そのものを自分で決めたりすることなどをご紹介しましたが、ここでは環境を整えることで集中できるようにする方法をご紹介します。
集中できる環境づくりとして一番に考えてほしいのは、「気になるものが目に入らないようにする」ことです。
好きなおもちゃやゲーム、キャラクターの置物、漫画など気が散るものは目に入らないようにしましょう。
PC、スマホ、タブレットなども触れない場所にしまっておきます。
もちろんテレビも消しましょう。
シンプルに机と椅子と筆記用具と宿題しかない環境にすることがベストです。
多くの場合、親御さんとしては自室で一人で取り組んでほしいと思われると思いますが、上記の環境づくりをしてもなかなかうまくいかない場合は、「そばについてあげる」ようにしてください。
誰かが見ているだけで注意の分散が減り課題に集中しやすくなります。
また、勉強に苦手意識のある子であれば、わからない時に聞ける人がそばにいると安心して取り組みやすくなります。
取り組むまでに時間がかかる子であれば、「まず、これだけやってごらん」など促す声かけをしやすくなります。
「自分の課題」と意識し責任を自分の中に持って、自立して取り組めるようになるためには少しずつステップを積み重ねていく必要があります。
いつまでもそばにつくのではなく、一人でできるところ・できそうな事は任せ、少しずつ離れていくようにしてください。
まだ十分にできないところはサポートしてあげる。
そうして自立を促してあげるといいですよ。
最後に
わかっているんだけれど、やる気になれない。
そんな苦しさから子どもたちを少しでも楽にしてあげられるといいですよね。
勉強はイヤイヤやっても身につきませんし、できるだけ楽しみながら、達成感を味わう喜びを感じながら意欲的に取り組めるものにしてあげたいものです。
夏休みは子ども時代にしか体験できない貴重な期間。
将来思い返した時に、楽しかった思い出、ワクワクドキドキと胸を躍らせる体験、普段会えない人に会える喜び、などが思い出せる。
そんな心の豊かさにつながる時間を子どもたちには過ごしてもらえるといいですね。
宿題をサクサク終わらせて、心置きなく楽しい時間が過ごせますように・・・。
最後までお読みいただきありがとうございます
Parent training | 相談支援室ぐろーいんぐあっぷ!
▽最新情報・豆知識をチェック
▽また読みたいな
▽こちらも合わせてお読みいただけると嬉しいです
▽著書