こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
「生きること」をじっくりと考えてみたことはありますか?
地球上の生き物は、すべてが繋がりを持ち、支え合って生きています。
食物連鎖としての支え合いもありますし、互いの弱点を補い合う支え合いもあります。
その中で、生きていくための争いがあり、傷つき傷つけられることもあります。
時には、他者を守るために自分を犠牲にすることさえあるでしょう。
自分を犠牲にしてまでも守りたいもの。
そんな大切な存在がいることは幸せなことなのかもしれません。
今回は強く優しい一羽のダチョウのお話をご紹介します。
かたあしだちょうのエルフ
文・絵:おのき がく
発行:1970年10月 ポプラ社
名作絵本ですので、ご存知の方も多いかもしれません。
版画で描かれた絵が印象的。
サバンナの動物たちがダイナミックに動きを見せてくれます。
文字が多く物語に深みがあるので、小学生以上のお子さん向けの絵本です。
すごく心を動かす内容なので、就学前の小さいお子さんには読み聞かせで触れてもらいたい物語です。
登場人物
・だちょうのエルフ
・どうぶつたち
・子どもたち
あらすじ
サバンナの動物たちはみんな仲良く楽しく暮らしています。
エルフは、若くて強くて素晴らしく大きなオスのダチョウ。
子どもが好きなエルフは、よく子どもたちを背中に乗せて草原を駆け巡ります。
木の実を配ったり、子どもたちと遊んだりするエルフの存在はみんなを支え、安心せてくれます。
ところがある日、ジャッカルが仲間たちを襲います。
エルフはライオンの鳴き真似で追い払い、一時的には平穏を取り戻しますが、またすぐに今度は本物のライオンが仲間たちの前に現れます。
エルフはみんなを避難させ、ライオンに立ち向かいます。
壮絶な戦いを繰り広げますが、エルフはライオンを追い払うことに成功。
みんなは大喜びしますが、よく見るとエルフの脚が一本食いちぎられています。
それでも「みんなが無事で本当によかった」と言うエルフ。
今までみんなにしてあげていたことはもちろん、自分の餌を探すこともままなりません。
みんなそれぞれ食べ物を分けてくれましたが、それも長くは続きません。
エルフの体はカサカサに干からび、背だけが高くなっていくようでした。
辛く苦しい日々を過ごす中で、また危機が訪れます。
今度はクロヒョウです。
エルフが「クロヒョウだぞー」と叫ぶと、みんなは一斉に逃げましたが、子どもたちが逃げ遅れました。
自分の体のことも忘れて何とか子どもたちを背中に乗せて助けるエルフ。
クロヒョウの攻撃から子どもたちを守るために体を固くして耐えていると、エルフの体は大きくなっていきます。
クロヒョウは太刀打ちできなくなり、ふらつきながら逃げていきました。
子どもたちが安心して「エルフ、ありがとう。」とエルフの方を見ると・・・
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衝撃のラストに胸がギュッと締め付けられます。
体が不自由になっても、他者を守ろうとする勇敢さ。
その背景には、仲間への愛があります。
みんなの安全と平穏を守りたいからこそ、エルフはこうなることを望んだのかもしれません。
結末を読んで、どう感じるかを是非親子で語り合ってみてください。
最後に
読む人によって、エルフに対する思いはさまざまだと思います。
自己犠牲なのか、利他主義なのか。
エルフはこれで幸せなのか。
何を大切にしたいのか、どう生きたいのかは、やはりそれぞれなのだと思います。
どんな生き方も素晴らしい。
そんな森羅万象のありのままの姿を受け止めていくこともまた、大切なことなのかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございます
<ご紹介した絵本はこちら>
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