ぐろーいんぐあっぷ!

ぐろーいんぐあっぷ!

~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

子どもを観察しよう〜ABC分析の視点〜

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

お子さんの困った行動に、どう対応していいのか困っていたり、もっと良くなってもらうために(成長して力をつけてもらうために)どうしたらいいのか迷われていませんか。

 

そんな時に必要なのが、「観察する視点」です。

通常は主観で判断して、感情を伴ってお子さんに関わることがほとんどだと思います。

しかし「観察する視点」を持つことで、客観的にお子さんの行動を捉え、より冷静に適切な対応を考えることができるようになります。

感情を波立たせることも少なくなり、ストレスを軽減することにも繋がりますよ。

 

今回は、観察する視点のひとつである「行動のABC分析」について簡単にご紹介します。

 

 

 

 

行動のABC分析とは

ABC分析とは、応用行動分析の基本的な考え方のひとつで、人間の行動を3つに分け、その関連性から行動を捉える方法のことです。

具体的には、次の3つの視点で行動を分析します。

ABC分析

A きっかけ(先行刺激):Antecedent

B 行動:Behavior

C 結果(後続刺激):Consequent stimulus

 

A おもちゃの数が足りないから遊びたいおもちゃで遊べない(他の子が使っている)

B 遊びたいおもちゃを使っている子から無理やり取る

C 遊びたいおもちゃが手に入る

 

ABC分析の視点を持たずに対応すると、

Cに対して

・叱られる

・「今日だけだよ」と使わせてもらう

などの対応をすることが考えられますが、これはどちらも良くありません。

無理やり取るという行動が繰り返されてしまうからです。

 

客観的にこの行動を捉えると、まずAでおもちゃの数が足りないことが見えてきます。

そしたら、「おもちゃの数を増やしてあげる」という環境の工夫をすることで、他の子から無理やりおもちゃを取ることは無くなりますね。

 

また、Bでは「無理やり取る」という方法でしか欲求を解決することができないという問題点も見えてきます。

ここで「『かして』と声をかける」「他のおもちゃや遊びがないか探す」などの解決方法を教えることができれば、子どもの視野を広げてあげられるようになります。

さらに、教えた行動ができたら(「かして」と言えたら)ほめる、という大人からの注目があると、好ましい行動が増えていくようになります。

注目されると嬉しい

先ほどの「教えた行動ができたらほめられた」という肯定的な注目が嬉しいのは良くわかると思います。

しかし、一方で「叱られる」という注目も嬉しい場合があります。

 

注目欲求の強い子の場合や、かまってもらえず寂しい思いを抱えている場合です。

叱られている時は自分の方を向いてくれているので、放っておかれるよりマシなのです。

 

悪いこと・イタズラをしたら、ママ・パパが来てくれる

 

なので叱られてでも、注目してもらおうとするというわけです。

 

注目してもらおうとする好ましくない行動に対しては注目せず、些細なことでも好ましい行動に注目するように意識することで、お子さんの行動が好ましいものに変化していきます。

「肯定的な注目」で喜ばせてあげることが大切なのです。

最後に

「子どもの行動を客観的に観察する」というのは、日頃あまり意識しないことかもしれません。

しかし、やってみるとお子さんの行動の理由がわかったり、気持ちが見えてきたりして、冷静になれるものです。

最初は困った行動を振り返って、ただ紙に書き出して整理するだけでもいいです。

その時は怒ってしまったかもしれませんが、紙に書き出すと「そこまで怒らなくてもよかったかも」と気持ちを落ち着かせることができますよ。

 

子どもはとても純粋です。

その純粋さを素直に受け取り、困った行動はその子の困りごとの現れと捉え、環境や関わりを工夫することで問題を解消していきましょう。

そのために、まずは観察を意識してみてくださいね!

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

 

▽ペアレントレーニン

Parent training | 相談支援室ぐろーいんぐあっぷ!

 

▽最新情報・豆知識をチェック

 

▽また読みたいな

 

▽こちらも合わせてお読みいただけると嬉しいです

growingup.hatenablog.com

 

▽著書

著書 絶賛発売中

◆ 『子どもたちを笑顔にする保育』

◆ 『学校では教えてくれない 子ども支援のいろは』

◆ 『新人放デイ職員のためのお悩みQ&A』

◆ 『これからを生きる15歳のあなたへ』