こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
秋の夜長を感じる今の季節は、夜空を見上げる機会が多いのではないでしょうか。
月や星をつい眺めてしまうのはなぜなのでしょう。
もしかして、私たちの遺伝子に刻まれた何かがそうさせるのでしょうか。
今回ご紹介する絵本には、そんなことを感じさせてくれるエピソードがあります。
何かを伝えたい、そんな思いが自然と私たちの顔を空に向けてくれる。
もし本当にそうだったら、こんなロマンチックなことはありませんよね。
今回は、そんな夢を抱かせてくれる愛に溢れたお話をご紹介します。
星につたえて
作 :安東 みきえ
絵 :吉田 尚令
発行:2017年12月12日 アリス館
夜空を中心にストーリーが描かれているので、寝る前の絵本にオススメです。
とても愛に溢れたお話で、読み終えると心の中にポッと暖かな光が灯っているのが感じられる作品です。
柔らかで温かみのある絵柄と文章なので読みやすいですが、長めの文章ですので、自分で読むのであれば小学生以上のお子さんが対象になってくるかなと思います。
読み聞かせであれば、4、5歳くらいから楽しめると思いますよ。
登場人物
・クラゲ
・ほうき星
あらすじ
生き物といえば、海のクラゲしかいなかった頃のこと。
ある夜、一匹のクラゲが海に浮かんでいると、空の上の星に声をかけられます。
クラゲと星は色々な話をします。
星は空がどれだけ広いかを、クラゲは海がどれだけ深いのかを、お互いが知らない世界を教え合い、不思議で胸のときめく時間を過ごします。
夢のような一夜は夜明けと共に終わりを迎えます。
「今夜もまた会えますか」とクラゲが尋ねると
「わたしはほうき星。今夜はここをとおりません。
何百年かたてば、とおるかもしれません。」
“何百年”がどれくらいの時かはクラゲにはわかりませんでしたが、クラゲは星とまた会った時にはおしゃべりをしようと約束し、胸がいっぱいになります。
別れの時、クラゲは星に大事なことを言おうとしましたが、涙でタプタプになった体がはじけそうで、伝えることができませんでした。
それからというもの、クラゲは星を待ち続けました。
年を取り、星に伝えたかった言葉を子どもに託し、やがて穏やかに死を迎えます。
子クラゲもまた星には会えなかったので孫クラゲに託します。
そうして受け継がれていくクラゲの言葉。
姿を変えて、さまざまな生き物になってもずっと大事に伝えていきました。
そうしていくうちに・・・
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このような、お話です。
ちょっぴり切なくもありますが、消えて無くなることのなかったクラゲの想いがとても愛に溢れています。どんな言葉なのかは、読んでみてのお楽しみ。
気の遠くなるような長い時を経て、繋がる想い。
あなたの中には、クラゲの想いは刻まれているでしょうか?
最後に
たった一夜の出来事だったかもしれませんが、心が通う相手というのは時の長さに関係なく深くつながり合うものです。
一瞬が永遠のように感じられるほど、濃密な時の中で交わした言葉や関わりは、どんなに時が経っても色褪せることはありません。
大切に思う温かな想いは、身体が滅びようとも残り続けます。
愛とはきっとそういうものなのでしょう。
この絵本からは、そうした純粋な愛を感じることができると思います。
そして読み終わった後は、純粋に愛する人のことを思い浮かべ、幸せを願い、感謝を届けてみてはいかがでしょうか。
あなたの愛が、時を経て繋がりますように・・・。
最後までお読みいただきありがとうございます
<ご紹介した絵本はこちら>
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