こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
虐待防止推進月間の11月ということで、児童養護や虐待について考える機会が少しでも増えるといいなぁと思っています。
虐待ケースについて知ることは大切ですが、あまりにも悲惨な現実を目の当たりにするのは、とても苦しいものでもあります。
見聞きすることで、二次受傷(自らは体験していなくても被害者と同様の傷つきを感じること)を負うこともあります。
そうしたこともあるので、大事なことではありますが、自分のペースで、可能な範囲で、知ってもらえればいいと思います。
今回ご紹介するのは虐待のお話ではありませんが、児童養護について意識を向けることができるお話です。絵本なので、優しいお話として読むことができますよ。
と言うわけで、今回は恵まれない子どもたちを救った大泥棒のお話をご紹介しますね。
すてきな三にんぐみ
作 :トミー・アンゲラー
訳 :今江 祥智
発行:1969年12月 偕成社
とても古い名作絵本です。
薄暗い絵の雰囲気から怖いお話のように思うかもしれませんが、タイトル通り「すてきな三にんぐみ」のお話です。
しかし、この三人組は こわーい大泥棒。
人々から色々なものを奪ってきた事については、どう受け止めたらいいのかもまた、考えさせられるポイントだと思います。
100%の善人はいない世の中を考えると、否定も肯定もできないことですが、読んでみて色々と考えてみてもらえたらと思います。
登場人物
・泥棒の三人組
・ティファニーちゃん
・捨て子や孤児
あらすじ
黒いマントに黒い帽子の泥棒三人組。
脅しの道具を手に夜な夜な山を下り、人々から宝物を奪います。
奪った宝物は自分たちの隠れ家に運び込みますが、ただ集めるだけで使ったり売ったりしません。
ある日、いつものように夜道を走る馬車を止めると、そこにいたのは孤児のティファニーちゃんだけ。
意地悪なおばさんのところへ引き渡される途中だったのです。
ティファニーちゃんは「このおじさん達の方がなんだか面白そう」と三人組と一緒に暮らし始めます。
ティファニーちゃんを大事に育てる三人組。
ある日、宝の山に気がついたティファニーちゃん。
「これ、どうするの?」と聞かれ、三人組は顔を見合わせ相談。
捨て子や孤児をたくさん集めはじめ・・・
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このような、お話です。
ちょっぴり不気味な雰囲気の絵本ですが、優しさを感じられるお話でもあります。
怖いけど読んでみたい!そんなドキドキ感も表紙から感じられるので、不気味なお話を楽しめるお子さんにオススメです。
お子さんはこの三人組をどんな人だと感じるでしょうか。善悪に対する感覚を見出すことができると思いますよ。
そしてもう少し深く考えるのであれば、悲しい顔をして過ごしている子ども達が、世の中にはたくさんいる。そんな現実を炙り出している作品でもあると言えるでしょう。
この視点で読むと、読み手が大人であればあるほど考えさせられることがあるかもしれません。
子ども達にとっては、正義のヒーロー。
あなたはこの絵本から、何を感じるでしょうか。
最後に
文字数はあまり多くないので、小さいお子さんにも読んであげられる絵本ですが、内容は深く読み応えのある作品だなと感じます。
ファンタジックで優しさに溢れた側面も感じられる一方で、この絵本の大半を彩る漆黒の部分には、他にも様々な思いが隠れているように思います。
お子さんと軽い感覚で読みながら、大人の皆さんは重い部分(笑)にも目を向けて楽しんでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます
<ご紹介した絵本はこちら>
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