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~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

興奮状態に気付き落ち着けるようにする

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

子どもの対処に困る代表的な場面としては、癇癪を起こして泣き叫んだり、怒って暴力や暴言が出ていたりするときが挙げられますよね。

こうした場面に遭遇すると、大きな声で制したり力を使って罰したりしてしまうかもしれません。

 

しかし、大声や暴力は興奮状態にさらに拍車をかけることになりますし、虐待になります。

 

難しい場面ではあるのですが、冷静な態度での対処をすることが望ましいです。

では、そのためには具体的にどうしていけば良いでしょうか。

 

今回は、暴れている子への対処法についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

興奮している状態では話は聞けない

まず、癇癪や暴言・暴力の状態に遭遇した時、多くの場合は「この状態を抑えなければ」という考えが浮かぶと思います。

そこでまず、「言い聞かせて気付かせる」ために強い言葉で制することでしょう。

 

しかし興奮している状態では、なにを言っても話が入ってきません。

自分の思考に囚われ、周囲の声もネガティブな刺激として捉え、我ここにあらずの状態になります。

その上、大きな声や暴力を受けるとさらに興奮がヒートアップし、暴れ続けることになります。

 

まずは、このことを知っておくことが大切です。

子どもが興奮している状態だと認識する

前述のとおり、癇癪や暴言・暴力が出ている状態というのは、興奮している状態です。

こうして言われてみれば当たり前に思うことですが、事が起きたその時には「興奮しているんだな」という視点を持つことはすっかり忘れて(大人も興奮して)対応してしまうものです。

 

この状況になった場合は、「興奮しているから、聞く耳は持たない、冷静な判断はできない状態である」ということを思い出せるようにしましょう。

癇癪持ちの場合は、癇癪が出るたびに「興奮している」と意識し、そのときに現れる要望への対処ではなく、要望は何であれ落ち着かせることに集中して対応しましょう。

興奮に対して大人は冷静になる

子どもが興奮していると、大人もその場をなんとかしようと興奮して対応に当たることがほとんどだと思います。

前述した通り、興奮した状態では判断力や思考力が下がり、冷静で適切な対応ができなくなってしまいます。

そうすると、力で捩じ伏せたくなり、大声や暴力による対応に陥り、虐待やマルトリートメントで子どもの心身を傷つけることになってしまいます。

 

こうしたことを防ぐために、まず大人が冷静さを取り戻すことが肝要です。

目を瞑り、深呼吸をして、一旦頭が冷えるのを待ちましょう。

その上で、冷静に状況を把握し、適切な対応を考え、対処していくようにします。

 

自分に合ったストレスコーピングを事前に知っておき、冷静になる練習をしておくと、こうした場面に遭遇しても冷静さを取り戻しやすくなりますよ。

刺激を排除してクールダウンさせる

子どもを落ち着かせる方法としては、まず刺激を排除することです。

ストレスの原因となっている刺激はもちろん、次のキッカケになりそうなものはできる限り排除しましょう。

 

一番良いのは、静かで何もない部屋に連れていくこと。

余計な刺激がなくなればクールダウンができ、冷静さを取り戻すことができます。

 

それが難しいようであれば、その場から物を移動させるか布を掛けて視覚刺激を減らす、音の刺激をなくす、対応にあたる人以外は部屋から出る、というようにその場をクールダウンできる部屋に変えるようにしましょう。

話し合い・指示は落ち着いた状態で行う

クールダウンの時間をとり落ち着いた状態になれば、話し合いが出来るようになります。

まずは、嫌だった気持ちやどうしたかったのかを受け止めましょう。

そして、問題を解決するために必要なことを一緒に考え、この後どう行動していくのかを話し合えればOK。

まだ少し興奮が収まりきらない様子が見られたら、背中をさすりながら安心させてあげるといいですよ。

 

癇癪や暴言・暴力が表出する背景には、満たされない気持ちや不安があります。

また、慢性的な体調不良(睡眠不足や質の低下、栄養の偏り、運動不足など)でコンディションが整っていないと、ストレスを跳ね返す力が弱まり、ネガティブな思考になり、不満や不安を抱えやすくなります。

 

大人との温かなコミュニケーションを取れる時間を作ったり、話をよく聴くようにしてあげたり、生活習慣を見直して体調を整えられるようにしたりといったことで、できるだけ安心と前向きな思考を習慣化できるよう心掛けられると困った行動も減っていくようになります。

最後に

情緒が安定しにくく、それが行動として表れる。

これは本当に対応が難しく、改善は一朝一夕にはいきません。

とてもエネルギーが必要になる対応ですが、放っておくと状況は悪化してしまう危険があるため、どこかで必ず向き合わなければならない、というものでもあります。

 

しかし、悲観的になる必要はありません。

大人がまず精神的に安定することから始めていければ大丈夫です。

ちょっとやそっとではグラつかない、安定した精神状態を保てるようにし、ブレのない対応をしていくことができれば十分対応できます。

そのために、大人も生活習慣を整え、前向きな思考を心がけ、心身の健康を守っていく。

それが、何より大切です。

 

大人も子どももエネルギーが十分満たされていれば、笑顔で毎日が過ごせるようになるものです。

美味しくご飯を食べて、快活に動いて、ぐっすりと眠る。そんな日々を過ごすことから始めてみてくださいね!

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

 

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