
こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
「うさぎの島」と呼ばれる大久野島をご存知ですか?
瀬戸内海に浮かぶ小さな島ですが、そこはかつて戦争で使用する毒ガスを秘密裏に作っていたところでもあります。
現在でも島に残る戦争の遺構から、歴史を知り、平和を考える。
今回は、そうしたことを教えてくれる絵本をご紹介します。
うさぎのしま
作 :近藤 えり
たてのひろし
発行:2025年6月25日 世界文化社
大久野島に外来種のアナウサギ(カイウサギ)が繁殖している理由について、絵本のあとがきで説明されています。
実験動物としてのウサギが逃げ出したものなのか、1970年代に放たれたウサギたちが起源になっているのか、DNA調査まで行い、その真相を探っています。
戦争遺構の荒廃やウサギが繁殖し過ぎたことによる環境変化。
大久野島に限らず、私たちにはこうした課題に向き合っていく必要があるのではないか。
そうしたことを訴える、熱意のこもった絵本です。
登場人物
・うさぎ
あらすじ
たくさんのうさぎがいる島に、多くの人々が観光にやってきます。
観光客はうさぎたちの可愛さに餌を与えます。
その中で1羽、白いうさぎがいました。
白いうさぎは、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんもみんな白いのかな?
そんな語りとともに映し出されたのは、戦時中の毒ガス工場での様子で—――。
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このような、お話です。
親子が語らうような語りでストーリーが進んでいきますが、その中では何かに言及することはありません。しかし、細密に描かれたイラストには何かを訴えかける大きな力を感じます。
この作品に含まれた思い、歴史、現在の姿。
シンプルな絵本の中に、大きな思いとたくさんの物語が感じられる一冊です。
最後に
戦争の遺構は各地に残っていますが、観光地化されもっと他の見栄えの良いものや楽しいものが観光資源となり、その地の本当の歴史を知ろうとすることが少なくなってきているように思います。
暗く悲しい出来事があった時代ですが、その時代を生き延びてくれたご先祖様のおかげで私たちが今ここに在るのです。
これからの平和を考え、環境問題への取り組みを行っていくことは、私たちの子孫の命を繋いでいくことでもあります。
この絵本をきっかけに、この課題について考えてみてもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます
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