
こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
周囲に影響されて気持ちや考え方が変わってしまったことはありますか。
周りの人がとても心穏やかで、落ち着いた服装をしていると、それに影響されて自分も穏やかで落ち着いた人になっている気がする。
そんな影響ならとても素敵ですよね。
しかし、逆に周りの人がちょっと怖い態度をとっていたり、派手な服装をしていると、だんだん自分も同じような感じになってしまう、なんていう影響は心がネガティブに偏ったり落ち着かなくなってしまいそうですね。
人は周囲の影響を受けながら生きています。
そこから学びを得て成長していくものですが、時として良くない思い込みを作ってしまうこともあります。
その思い込みがまた、他の人にも影響して負の連鎖を生んでしまうことも。
今回ご紹介するのは、とあることがきっかけでネガティブな思い込みをしてしまったねずみたちのお話です。
登場するねずみたちのように、虚勢を張って仮面を外せずにいる、なんて状態になっているのなら、この絵本を読んでそこから抜け出してしまいましょう!
みどりの しっぽの ねずみ
かめんに とりつかれた ねずみの はなし
作・絵:レオ=レオニ
訳 :谷川俊太郎
発行 :1973年 好学社
作者は「スイミー」「フレデリック
」「アレクサンダとぜんまいねずみ
」などで有名なレオ=レオニさんです。
そして、訳者は日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんです。
古くからある絵本なので、ご存知の方も多いかもしれません。
どこか社会を風刺しているようにも感じる物語で、読みごたえがありますよ。
少し長いお話なので、小学生以上のお子さんに向いていると思います。
登場人物
・ウィルシャーの もりの ねずみたち
・まちの ねずみ
・ぞう みたいに おおきな ねずみ
あらすじ
ウィルシャーの森のねずみたちは、豊富な食べ物や穏やかな気候の中、何の心配をすることなく毎日を楽しく過ごしていました。
ある春の朝、一匹の街のねずみが通りかかり、街の話を聞かせてくれました。
そこで、マルディ・グラの日に行うお祭りことを教えてもらい、自分たちもやろう!と準備をはじめます。
飾りつけをして、仮面を作って・・・
夕方、みんなは思い思いの格好をして集まります。
一匹のねずみは、しっぽをみどりに塗っていました。
まずは、みんなで歌い踊り、楽しみます。
その後は、仮面をつけて怖い獣のようになって、怖がらせ合いました。
そうしていくうちに、ねずみたちは自分たちが本当に恐ろしい獣だと思い込んでしまいます。
平和だったねずみたちの村に憎しみと疑いが渦巻くようになって・・・
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このような、お話です。
怖がらせ合うといったマイナスな感情での関わりは、信頼関係から遠ざかってしまうものです。
信頼できないから仮面は外せないし、不安や恐れは大きくなるばかり。
ネガティブな思い込みというものは、重く冷たい世界へとあっという間に引きずり込んでしまうものなのでしょう。
このあと、ねずみたちの前に象みたいに大きなねずみが現れるのですが、この出会いがねずみたちに大切なことを気付かせてくれます。
ネガティブな思い込みを手放したいときに、是非読んでみてくださいね!
最後に
平和に暮らしていると、ふと刺激が欲しくなる時もありますよね。
穏やかな刺激は心身を和らげ、リラックスさせてくれるものです。でもそれだけではなく、ちょっと興奮する刺激もほしい。
しかし、現代社会では刺激的な言葉や見栄えを追求したもの、光や音であふれたデジタルデバイスなどで溢れています。
甘いものはより甘く。辛いものはより辛く。
ちょっと興奮する刺激のはずだったものが、過剰に溢れていて みんなずっと興奮状態。
そんな世界にどっぷり浸かっていると、落ち着いた平和というものがどんどん遠くなっていくように思います。
落ち着きを失くすとネガティブな思考が渦巻き、他者とのポジティブな関係が築きにくくなる。
そんな私たちの現状に、この絵本は気付きを促してくれているのではないでしょうか。
是非、色々と思いを巡らせながら読んでみてもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます
<ご紹介した絵本はこちら>
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