こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
先日行ったルーブル美術館展で印象的な絵画がありました。
現代の子育てや教育にも大切なことを教えてくれる、この絵画を通して「すべてを受け入れる心」についてお話ししたいと思います。
放蕩息子の帰還
ルーブル美術館展で私が印象に残った絵画は、リオネッロ・スパーダの「放蕩息子の帰還」。
絵はこちらをご覧ください
この絵画は聖書の「放蕩息子のたとえ話」というお話を元に描かれているそうです。
父の財産の生前分与を受け取った息子は、遠い国に旅立ち財産を使い果たした。
大飢饉が起きて飢え死にしそうになりながら、父の元へ帰る息子。
この放蕩息子を父は叱るでもなく、帰ってきた息子に走り寄り抱きしめた。
こんなお話がこの絵にはあるのですが、この父親の心のあり方には考えさせられるものがあります。
人は未熟であればあるほど、間違いや失敗をしてしまう。
それを叱ることは簡単だけれども、この父親のように全てを受け入れることはなかなかできることではない。
失敗してしまったことは本人が一番よくわかっていて、自分なりに振り返り反省をしています。
それも含めて「よく帰ってきた」と受け入れてもらえると、その後はもう二度と同じ過ちは犯さなくなるものです。
ここまで受け入れることができるのは、深い愛があるから。
息子が帰ってくることを信じ、過ちもまた学びのひとつだと受け入れる。
自分の気持ちを相手に押し付けない。
心配する気持ちさえも超越して、起きたこと全てを受け入れる。
この父親は、よほど精神性の高い人だと思うかもしれませんが、人(の心)を育てていくためには、こうしたものの見方を少しでも自分の中に取り入れなければならないのだと思います。
「何をしているの」
「反省しなさい」
そう言う前に、本人の気持ちを考えてあげることから始めてみませんか。
「どんな気持ちになった?」
と聞いてみたり、
「無事でよかったよ」
と抱きしめてあげたり。
叱る前にできることは、きっとたくさんあるはずです。
そしてこれは自分自身に対しても言えること。
良いところも悪いところも全てを認め、ありのままを受け入れる。
自己肯定感を高め、自信につながります。
自分を認められるからこそ、他者に対しても無償の愛で受け入れる心をもつことができるものです。
「すべてを受け入れる」とまではいかなくても「できる限り受け入れる」ことができれば何かが変わる。
そう思いませんか。
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