こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
子育て中のママさんたちのお話を聴いていると、
「仕事も家事も子育てもきちんとやらなきゃ!」と
とても頑張っていて、すこし苦しくなってしまっている方が多いことに気が付きます。
この記事を読むあなたもまたそんな苦しみを抱えている一人ではありませんか?
今回は子育てを頑張るあなたが、少しでも肩の力を抜けるように「程よい手抜き」についてお話ししたいと思います。
完璧にできてこそ親!なんて思っていませんか?
仕事もしっかりこなして、職場の人に文句を言われないようにしなきゃ。
添加物のあるものは避けて、食事は手作りで栄養バランスを考えたものを食べさせてあげたい。
子どもがいても、家の中はきれいにしておきたい。
パートナーに文句を言われないように、全部完璧にこなしておかなきゃ。
そんな風に考えてしまっていませんか?
だけど、現実は自分が思い描くようにはなかなかできないものです。
仕事で疲れている状態で、献立を考え、買い物に行き、調理をする。
子どもはどうしても部屋を散らかしてしまうし、いちいち片づけていたらキリがない。
もう、ヘトヘトですよね。
ましてや、平日は仕事が終わってから子どもを寝かしつけるまで3~4時間しかありません。
そんなタイトな時間で子どものお世話をしながら家事もこなすのは至難の業。
ご飯を食べて、お風呂に入って、歯磨きをして、寝かせられたらもう十分。
家事はそこそこでいいし、機械に頼れるところは頼ればいいんです。
自分で背負いすぎていては身が持ちません。パートナーと分担できるならお願いする勇気も必要です。(職業柄どうしても分担できない場合もありますが、それでも部分的にできることはやってもらいましょう)
また、親やきょうだい近所の人など、近くに協力してくれる人がいるなら、遠慮せずに頼りましょう。
子育ての協力者は多ければ多いほどいいのです。
ファミリーサポート(ファミサポ)という制度もありますし、民間の家事代行やベビーシッターを利用することもできます。
子育ては周りの人を頼りながらして良いんだということを知っておいてくださいね!
協力して子育てをする小さなサル
コモンマーモセット(Callithrix jacchus)という霊長類をご存知でしょうか。
体長は50㎝程度、体重は300~400ℊ程のブラジル原産の小さなサルです。
<コモンマーモセット>
ヒトから系統的にはずいぶん離れているのですが、ヒトとマーモセットの間には共通する特徴があり、数多くの研究がなされています。
共通する特徴としては、
- 一夫一妻の繁殖形態を示し、雄と雌の間に柔軟な絆を形成する
- 音声コミュニケーションを発達させている
- 模倣する
- 他者を助ける
といった行動がみられることが挙げられます。
そして、最も特徴的なのが養育行動です。
年に2回双子を出産するという、霊長類の中では多産なマーモセット。
母親は授乳をしながら次の子を妊娠するという大変なことをします。
しかし、その負担を軽減するかのように父親も上のきょうだいも積極的に子育てを行います。
父親をはじめとした周囲の個体が子育てに協力するところはヒトと共通する特徴ですね。
そして驚くべきことに、父親は出産時に助産師のような役割をし、生後すぐの我が子を背負う行動もみられるのだそうです。
さらに、離乳期には父親もきょうだいも食物を分け与えるという子煩悩ぶり(他の霊長類では離乳期に食物を与えるのは母親のみ)。
これほどまでに積極的に子育てを行うマーモセットの父親ですが、手伝うきょうだいの数が多いと、その数に合わせて子どもを背負う回数が減るのだそうです。
周りを頼って、程よく手を抜くのですね。
こうした感覚は、子育てを行っていくうえでとても大事な感覚ではないでしょうか。
最後に
マーモセットの育児から、私たちヒトの育児のあり方を考えさせられるものがありますよね。
周囲にたくさん助けてくれる人を見つけて、子どもを "みんなで" 育てる。
マーモセットの父親のように、程よく手を抜ける気持ちと環境づくりが大切ですね。
あなたも周りを頼って、程よく手抜きしてみませんか。
<参照>
心理学ワールド 86号(2019.July)特集「時に手を抜くイクメン、マーモセットのパパ」
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