こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
子どもへの声掛けに悩んでいませんか。
「言うことをなかなか聞いてくれない」
「指示すると不機嫌になったり自暴自棄になったりする」
朝の支度、宿題、ごはんやお風呂、寝る時間・・・
生活リズムを整えたり、勉強をして力をつけてもらったり、親として子どもの成長を促す責任があるから、声を掛けるのにどうして素直に言うことを聞いてくれないんだろう・・・言わなくても自分からできるようになってくれれば・・・
そんな時に必要なのは「声掛けを変えること」かもしれません。
普段の言い方を少し変えて、お子さんに思いが伝わるようにしてみませんか。
命令形を言い換えてみましょう
「~しなさい」という言い方で指示したり、叱ったりすることがあると思います。
・静かにしなさい
・座りなさい
・お風呂に入りなさい
これは強く相手をコントロールしようとする気持ちが込められています。
もし、あなたがこの言い方で誰かに指示されたらどんな気持ちになるでしょうか。
「こわい」「なんか嫌」「なんで命令されなきゃいけないの?」
こんな風に、ネガティブな気持ちやコントロールされることへの反発を感じますよね。
それは子どもも同じ。言うことを素直には聞きたくない気持ちになります。
ですので、この「~しなさい」という命令口調の言い方を変えることが必要だということです。
<促す言い方の例>
・「~しようね」
・「~するよ」
・「~しようか」
語尾をこのように言い換えてみるとどうでしょう。
行動を促されているのに嫌な気持ちにはなりませんし、素直に聞き入れたくなりますよね。
強い言葉なんて使わなくても、適切な伝え方をすればちゃんと相手に届くんです。
禁止の言葉をやめてみる
「~しないで!」こうした禁止の言葉も、場がピリピリとする言葉ですよね。
こう言われると、言われた本人だけじゃなく周りにいる人もみんな緊張してしまいます。
こうした空気になると、例えば園や学校なら「クラスのみんなで一緒に何かをしよう!」と促しても子どもたちは緊張感からのびのびと活動なんて出来なくなりますよね。
子どもの行動を正したいと思ったら
・できていることに目を向ける
・やってほしいことを具体的に伝える
ということを意識してみてください。
まずは、言わなくてもできていることを見つけ「~できているね」「~しているね」と認める声掛けをしましょう。
私が行うペアトレ講座の中でもよくお話するのがこの「実況中継するように声掛けをする」というもの。ほめる方法のひとつとして紹介しています。
例えば、服を着替えるという場面で「お袖に手を通せたね」「ボタンを1つ留めれたね」「ズボンに脚を入れられたね」と見守りながらひとつひとつできたことに認める声掛けをするというのがその一例です。
子どもは自分で気付いて(無意識でも)やったことを分かってもらえると、嬉しくてどんどん求められることに応えたくなります。相手を信頼する気持ちも高まり、精神的にも安定します。
まずは「できていることに目を向ける」ことで「認めてくれているという安心感」を子どもに持ってもらえるようにしましょう。
そして行動を促す段階では、禁止の言葉を具体的な指示に変化させましょう。
<例>
・「走らない!」 ⇨ 「歩こうね」「止まろうね」
・「後ろを向かない!」 ⇨ 「前を向こうね」
・「しゃべらない!」 ⇨ 「お口を閉じましょう」「(小さい声で話してほしいときは)アリさんのお声くらい小さな声にしましょう/声のボリュームを小さくしようね」
禁止する行動の代わりに何をしてほしいのかを具体的に伝えてあげましょう。
自信がなさそうにしているときの声掛け
色々なことに興味・関心を持つ子どもたち。
できないことに挑戦する機会もたくさんあります。
しかし、できなかったり怒られたりした経験があると自信を無くしてしまうことも。
そんな時は、どう声を掛けてあげれば良いのでしょうか。
<一人でするのが心細いとき>
・「一緒に~しよう」
・「大丈夫、できるよ。ちょっとでいいから~してみてごらん」
<エンジンがかからない・やる気が出ないとき>
・「試しに~してみよう」
・「とりあえず、○○だけやってみよう」
自信がなさそうな時は、何かに不安を感じている時ですよね。
不安を少なくするためにはハードルを下げること。
「誰かと一緒だったらできる」なら、一緒に挑戦してあげればできますし、「一部分であればできる」なら、できるところだけ先にやらせてあげれば良いわけです。
今できる行動を少しだけやってみる。挑戦することをスモールステップに分解して、ハドルを下げてあげられると、やる気が出やすくなります。
やり始めると「もうちょっとやろう」という気持ちになり、気付いたら予定以上に取り組めていた、なんてことはよくあるものです。
スモールステップ ⇨ 挑戦
自信をもってできる段階までハードルを下げ、まずは自信を積み重ねてあげましょう。
励ましの言葉
「自信がなさそうにしているときの声掛け」と重なる部分がありますが、励ましの言葉に意識することも大切。
励ましの言葉と言えば「頑張れ」ですよね。
応援してくれる素敵な言葉なのですが、時としてプレッシャーを感じることはありませんか?
「十分に力を出し切って挑戦してほしい!」と思うなら、声掛けのポイントは「ポジティブな気持ちになること」「リラックスできること」です。
<例>
・「大丈夫!あなたなら出来るよ!」
・「リラックスして、思いっきりやっておいで」
・「楽しんでやってみよう!」
持っている力を十分に発揮させるためには、適度な緊張とリラックスがバランスよく感じられていることが重要です。
「ゾーンに入る」とはその最たるものですね。
この状態に近づけてあげられるように、緊張する場面ではリラックスできる声掛けをしてあげられるといいですよ。
そして、力を発揮できること・うまくいくことを信じてあげることも大切です。
イメージしていることは相手にも伝わります。
あなたが信じるポジティブなイメージをお子さんにも届けてあげてください。
そして結果がどうであれ、「挑戦したこと」は成長の証。
この時に「頑張ったね!」「素晴らしい挑戦だったね!」と、たくさんほめてあげてくださいね。
たとえ上手くいかなかったとしても、それは「失敗」ではありません。
次につながる貴重な経験です。
やってみることで学びがありますし、その経験は大きな力となります。
・You can do it !
・Nice try !
・Try again !
こんな前向きなマインドで声掛けを意識できると「もっと頑張るぞー!」と粘り強く挑戦し続けられる子になるでしょう。
「子どもの力を引き出すにはポジティブな声掛けが大切」
これだけは心に留めておいてくださいね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
声掛けというのはなかなか難しいものではありますが、ポイントをちょっと意識するだけで、子どものマインドは大きく変わります。
そしてこれは、子どもだけではなくどんなお相手であっても同じ。
ポジティブな言葉を意識し、関わる人たちの持つ素敵な力をたくさん引き出して、素敵な関係を築いていきませんか。
コミュニケーションは人間関係の要。
あなたも子どもも幸せになる声掛けを意識して、笑顔あふれる毎日を過ごしてくださいね!
<参考>
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