こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
春、新たな門出、新しいクラス。
変化の多い春は子どもたちの変化も感じられるのではないでしょうか。
子どもたちにとっても、将来を考えるひとつの節目。
希望と期待に満ち溢れる一方で、大きな不安も抱える将来のこと。
そんな子どもたちのために、こんな絵本を紹介してみてはいかがでしょうか。
あなたがおとなになったとき
文:湯本香樹実
絵:はたこうしろう
発行:2019年 講談社
サラリとした絵柄で、どこか風を感じる爽やかさと勢いが感じられます。
優しい色使いと美しさとエモーショナルな雰囲気が読者を作品の世界観に引き込みます。
あらすじ
表紙の真ん中に佇む女の子が主人公。
小さい頃にたくさん触れた自然。
草原や木、空や風。
自然を自由に感じて、木に登って、歌を歌って、空を見上げた。
そんな豊かな感性は、大人になったらどうなっているだろう。
誰かがひとつひとつ問いかけています。
変わらない感性と変わっていく意識。
見える世界もどこか影を感じ、息苦しさを感じる様が見え隠れします。
大人になっていくにつれて、立ち向かっていかなければならないものが大きくなる。
そんな時に、自分の居場所や喜びや悲しみを分かち合う人をどう選んでいくのか、何を思い、何を感じて生きていくのかを語り手は少し心配しながらも見守るように問いかけていく…。
そんなお話です。
語り手は「お母さん」のように感じられる存在。
最後に大人の女性が現れますが、それは「お母さん」かもしれないし、「将来の主人公」かもしれません。
言葉は少ないけれど、たくさんの想いが込められた温かい絵本です。
こんな人にオススメ
小学生くらいのお子さんに読んでもいいと思いますが、将来に漠然とした不安を抱える中高生にとても響くのではないかなと思います。
最後に
大人にとっては、子どもたちの将来のために彼らが生きやすい社会を作れているだろうか、と考える一冊になるかもしれません。
子どもたちはきっと逞しく生きていく。
しかし、社会の中で色々なことにぶつかり、悩み、苦しみ、向き合ってきた私たち大人は、今の子どもたちがその苦しみを乗り越えていけるだろうか、と心配になります。
それは幸せに生きてほしいと願っているからこそ。
親子で、学校で、施設で、子どもたちと一緒にこの絵本を読んで、語り合ってみませんか。
<ご紹介した絵本>
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