こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
悲しいことがあって、気分がズーンと下がってしまう・・・なんてことは、どんな人にもよくあることですよね。
そのとき、あなたはどう対処していますか?
誰かに話してスッキリしたり、テレビや動画を見て笑ったり、運動して発散させたり、色々な方法で気持ちを切り替えていると思います。
しかし一方で、気持ちを押し込めて感じないふりをする人もいるでしょう。
そうすると、イライラして誰かに当たってしまったり、お酒やたばこをたくさん飲んだり、甘いものや脂っこいものを暴食したり、といった身体に悪影響のある行動を無意識にするようになってしまいます。
そして、実際に体調が悪くなってくると、どんどん思考がネガティブになり、身体もだるくて動けなくなり、ネガティブループにハマっていくのです。
やはり、感じた感情はひとつひとつ目を向け、受け止め、大切にねぎらってあげなければならないということですね。
そこで今回は、悲しい感情の受け止め方や折り合いの付け方について書かれた絵本をご紹介したいと思います。
かなしみがやってきたらきみは
作・絵:エヴァ・イーランド
訳 :いとうひろみ(伊藤比呂美)
発行 :2019年10月25日 ほるぷ出版
シンプルで優しいタッチのイラスト。そして、文字も少なく字の読める小さいお子さんも自分で読める文量です。
「かなしみ」の感情が擬人化されたこの作品。
目に見えない感情が擬人化されているので、小さいお子さんにもイメージしやすいと思います。
作者のエヴァ・イーランドはオランダ出身のイラストレーターで、初めて描いた絵本がこの作品なのだそうです。
登場人物
・かなしみ
・きみ
あらすじ
「かなしみ」は、突然やってくることがあるよ。
かなしみは、「きみ」のあとをついてまわって、ぺったりくっついてきたりする。
そしたら、きみは息ができなくなっちゃうよね。
そんな語り出しから始まります。
読み手に対して悲しみという感情を持つと押し込めたくなったり、息ができなくなる苦しみを感じることを伝えます。
そして、飲み込まれてしまいそうになるその感情に、どう向き合っていけばいいのかをひとつひとつ提案してくれます。
怖がらすに、話を聴いてみる。
どうしていいか分からないなら、ただ一緒に過ごしてみる。
好きなこと、落ち着くことをしながら。
リラックスをすることや、気分転換をすることなど、ストレスコーピング(ストレスの対処法)も分かりやすく描かれています。
また、怖くてつい目を背けたくなる感情に対して、逃げずに話しかけてみる、名前を付けてみる、といった方法で、自分のネガティブな感情との向き合い方を丁寧に説明してくれています。
小さいうちから感情コントロールの仕方が学べる絵本です。
さいごに
感情のコントロールは大人でも難しいと感じますよね。
悲しい気持ちはつい押し込めて、無理やり笑顔を作ったりしてしまうものです。
しかし、この絵本にも書かれているように、感情を押し込めてしまうと逆に飲み込まれてしまうのですよね。
だからこそ、自分の心の声に耳を傾け、ただ寄り添ってあげることが大切なんです。
大人がその感覚をしっかりと身につけることができれば、子どもにもその方法を教えてあげることができます。
子どもが自分の気持ちと向き合えるようになると、感情面での困りごとも、満たされない気持ちからくる行動面の困りごとも、スッと消えていくはずです。
親子で感情を学び、自分の心を大切に感じられるように、この絵本を一度お手に取ってみてもらえるといいなと思います。
しなやかな心が育まれますように。
<ご紹介した絵本はこちら>
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