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~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

子どもの「あるがままを認める」とは

「あるがまま」「ありのまま」の姿

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

ペアトレや保育の講義の中で"子どもへの関わり方"をお伝えしていますが、どんな方にとっても難しく感じるのが「あるがままを認める」ことです。

子どものことをあるがままに認める、というのは、自分自身のこともあるがままに認めることができなければ実現できません。

 

しかし大人になればなるほど、余計なプライドや周囲に掻き立てられる不安によって、ものごとをあるがままに認めることから遠ざかってしまうものです。

 

いつの間にか「あるがままに認める」というその感覚がわからなくなっていきます。

 

今回は、"どのようにしてあるがままを認めていくのか"についてお話します。

 

 

 

 

 

 

あるがままとは

ものごとはすべて自然の流れの中で起きる現象です。

目に見えるものや耳で聞こえるものといった物理的な現象だけでなく、感情や思考といったそれぞれの内側で感じる現象もすべて自然な現象。

 

お日様が照るのも、突然雷雨に見舞われるのも、誰かと楽しい時間を過ごすのも、ケガや病気になってしまうのも、色々なできごとを経験する中で湧き上がる感情も、ただ起こるべくして起きているのです。

 

そのことに気付き、そのままを受け入れる。

それがあるがままを受け入れるということです。

ジャッジしない

しかし私たちは、起きた出来事や沸き上がった感情を「良い・悪い」という基準に当てはめてしまいます。

 

「最悪なことが起きた」

「こんな感情をもってはいけない」

 

こんなことを無意識に思うわけです。

 

さらに自分に対してだけではなく、身近な人に対してもこの基準を当てはめます。

「日頃の行いが悪いから、そんなことになるんだ」

「泣くんじゃない」

 

このように現象を「良い・悪い」に当てはめて否定してばかりいると、自然な感情を押し込めるようになります。

何かしらの価値観という枠組みに当てはめて、偽物の自分を作り上げていくこととなり、そのフラストレーションが少しずつ溜まっていくのです。

フラストレーションが溜まれば、行動をうまくコントロールできなくなったり、心身の不調が生じたりします。

ないがしろにされた、自分からのメッセージですね。

 

だから、起きた出来事や感情は「良い・悪い」でジャッジせず、そのままを受け入れ認めることが必要になるのです。

具体的にどうすればいいのか

「あるがままを受け入れる」「ただそのままを受け入れる」とはいっても、言うは易く行うは難し。

この感覚を得るのは簡単なことではないと感じるでしょう。

しかし、少しでもその感覚が分かればものすごく単純明快だと気付くはず。

 

ここでは、その入り口となる方法を具体的にご紹介しますね。

①自分の感情をただ感じてみる

「今、私は嬉しいんだな/悲しいんだな/嫌だったんだな」と湧きあがった感情をそのまま客観的に捉えてみてください。

「それで良いんだよ」とただ優しく認める。

これがあるがままを認める第一歩です。

②思い浮かんだことを書き出してみる

書く瞑想と言われるジャーナリングというものです。

書いたものは誰かに見せるわけではないので、支離滅裂で構いません。

乱雑な字でも大丈夫ですし、矛盾した思いがあっても問題ありません。

ただ思いつくままに心ゆくまで書き出してみましょう。

書いたものを読み返してみると、「私はこんな風に感じていたんだな、こう考えていたんだな」と自分の内側に気付けますし、頭の整理ができてスッキリしますよ。

③呼吸や身体の感覚に集中してみる

これはマインドフルネスに代表される方法ですね。

 

足を組んで、目を閉じ、手は軽く膝の上に置きリラックス。

息を吸って、吐いて・・・の繰り返しにただ意識を向けます。

その時に思い浮かぶことは①でご紹介したようにただ認めていきましょう。

 

また、座った状態だけではなく、ウォーキングなど動いている状態でその身体の動きに集中するという方法もあります。

身体の動きや感覚に集中していくこの方法はボディスキャン瞑想と言われます。

じっとしているのが苦手な方は、身体を動かしながらのマインドフルネスで自分の身体の音に集中してみてくださいね。

 

ご紹介した3つの方法のうち、出来そうなものから試してみてくださいね。

子どものあるがままを感じてみる

自分自身のことをあるがままに受け止められるようになれば、周りの人のこともあるがままに受け止められるようになってきます。

困った行動をするお子さん、親としては出来るようになってほしいことがまだ出来ていないお子さん。そんな姿にイライラしてしまうことがあると思います。

しかし、子どもには子どもなりの「あるがまま」があります。

困った行動や癇癪などの感情の高ぶりにはキッカケや理由があり、自然な現象として表現されています。そのことが分かれば、ただ我慢させたり放っておいたりすることなく、冷静に適切な対応が出来るようになるのです。

 

その第一歩として、お子さんのあるがままを感じてみる。

深呼吸をして、ただそのままの姿を観察することで、見えてくるものがきっとあるはずです。

最後に

色々な価値観に振り回されてしまうものですが、頭で「こうしなければ」とあまり考えすぎず、自分の素直な感情や思いを大切にしてみてもらえればと思います。

直観や感情といった自分でコントロールできないものの中には、今のあなたに必要な情報が詰め込まれています。

それを無視して他人の意見に振り回されていると、自然な状態からかけ離れることとなり、歪みが生じて事態はもっと悪化してしまうのです。

「自分を信じる」というのは、とても勇気のいることだと思います。

しかし、誰よりも自分を信じてくれるのは、他の誰でもないあなた自身。

あなた自身を大切にして、信じて、守っていく。

それを他人に委ねていては、あなたは自分の人生ではなく他人の人生を生きることになります。

自分の舵は自分で握る。

そんな自立した存在になるためにも、自分のあるがままを認めてあげるようにしましょう。

そして、お子さんにもそんな自立した大人になってもらえるよう、あるがままを認める関わりを心がけるようにできるといいですよね。

 

 

<参考>

心理学ワールド87号

サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福 (河出文庫)

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

 

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