こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
あなたは『マインドフルネス』をご存知ですか?
「なんとなく聞いたことがある」
「知っているけれど、やったことはないな」
「スティーブ・ジョブズが実践していたっていうやつ?」
「なんか、スピリチュアル的なアレでしょ?」
「ヨガ?」
こんな声が聞こえてきそうですね!
漠然としていて何だかよくわからない、この『マインドフルネス』を簡単にご紹介したいと思います。
マインドフルネスとは
マインドフルネス(mindfulness)とは、「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、それについて評価や判断をせずにただ観る」という心理状態のことです。
その心理状態になるための手法として、瞑想があります。
日常の中では心配事や不安な気持ち、苛立ち、悲しみなど、様々な気持ちが湧き上がり、頭の中はいつも雑念でいっぱいになります。
そうした雑念を鎮め、「今この瞬間」だけに集中する精神状態をマインドフルネスと言い、心身の状態を整えたこの状態で日常をより良いものにしていくというものです。
マインドフルネスは「今この瞬間」に集中して心身の状態を整えることですが、大きな葛藤があると「ただ素直に今に集中する」というのは難しいものです。
なので今に集中することが難しければ、まずは「許すこと」から始めてみてください。
抗う気持ちや葛藤を許し、穏やかな意識の中に受け止める。
そんなイメージを持って呼吸を整えていきましょう。
情動のハイジャックに立ち向かうために
人は何かのちょっとしたきっかけで、あれよあれよと不安になり、最悪の事態まで想像してしまいます。
こうした情動のハイジャックが起こるのは、脳の扁桃核という部分のしわざと言われています。
扁桃核は脅威を察知するレーダーの役割を持っていて、周囲に危険なことがないか常に見張っています。そして、危険を察知する(危険と思い込む)と次々と信号を伝えて脳を支配し、不安の対象にだけ注意が向くように視野が狭くなります。
そうして不安にくぎ付けになった人間は、過去の記憶の中から目の前の脅威に少しでも関係する記憶を思い出していくのです。ストレスホルモンも大量に分泌され、過熱状態になり、脅威に固着してしまいます。
これが情動のハイジャックのメカニズム。
こうした情動のハイジャックに立ち向かい、扁桃核の興奮を抑えるためには、脳の前頭前野の働きを活性化させる必要があります。
動揺する心からの回復力の高い人は、前頭前野がほかの人と比べて30倍も活発に働いていると言われています。
前頭前野は呼吸法を取り入れたり、瞑想をすることで活性化されるので、情動のハイジャックに立ち向かうためにもマインドフルネスが重要になってくるのです。
瞑想
マインドフルネスの手法として、瞑想があります。
1回でも効果は実感できると思いますが、継続的に行うことでその効果が高まっていきます。
毎日瞑想をする時間を取り、習慣化していくようにしてみてくださいね。
<瞑想のやり方>
体勢
足を組んで床に座り、背筋は伸ばし、目を軽く閉じます。
手は軽く膝の上に置きます。
呼吸
鼻からゆっくり息を吸い、お腹や肺のふくらみを感じます。
吸った時よりも時間をかけて、ゆっくりと鼻から息を吐きます。
これを繰り返し、呼吸をゆっくりと感じます。
思考
呼吸に意識を集中させていても、頭の中に色々なものが浮かんでくると思います。
それをただそのまま「こんなことを考えているんだな」とただそのまま受け止め、再び呼吸に意識を集中しましょう。
こうして「今この瞬間」だけを感じます。
これが瞑想のやり方。
まずは5分試してみるところから始めてみましょう。
気持ちよくて「もう5分経ったの?」と思うくらいかもしれませんよ。
マインドフルネスがもたらす効果
瞑想などによってマインドフルネスになると、あなたはきっと変化を感じられると思います。
一番大きな変化は「集中力のアップ」でしょう。
余計な考えを捨て、目の前のことに集中できる力が養われます。
一度でもその効果は感じられると思いますが、日常的に集中力の高い状態を保つためには、継続して瞑想を取り入れる時間を作るといいでしょう。
もう一つは、自分自身の感情、欲しているもの、長所や短所などの自分の内面を見つめ、理解を深める「自己認識力の向上」。
自分のありのままを見つめ、感情を押し込めたり、長所短所を見て見ぬふりをしたりしなくなるため、心が安定するようになります。
自分の感情コントロールができるようになり、どんなことがあっても心の状態が乱れずに穏やかに過ごせるようになります。
最後に
海外では、仕事の合間に瞑想をする時間を設ける企業も多く、マインドフルネスは重要視されています。
瞑想はパフォーマンス向上の効果があるということが周知の事実となっているのですね。
日本ではまだ「宗教みたい・・・」と敬遠される風潮が残っていますし、「そんな時間なんてない」と時間を作る心の余裕が持てない環境にいる人も多いです。
でも、だからこそ瞑想を取り入れ、心を穏やかにマインドフルネスを味わってほしいなと思います。
まずはこの画面を閉じた後の5分から。
マインドフルネスで生きてみませんか。
<参考>
自信をはぐくむ:ポジティブな自分を確立する認知療法メソッドとマインドフルネス (きっと上手くいく10の解決法シリーズ)
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