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~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

ストレスと疲労

ストレスフリー

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

暑さも和らぎ、夏の疲れを感じることも多いこの時期。

学校も始まり生活リズムも変わります。

仕事も学校も何かと忙しくなり始め、ストレスを感じることも多いですよね。

 

ストレスを感じるとなんだか身体もだるい。

そう思うことはありませんか?

 

今回はストレスと疲労の関係についてご紹介します。

 

 

 

 

ストレスとは

ストレスとは一般的にはストレス源を指す言葉として定着していますが、本来は生体のストレス反応を指します。ストレス源のことは「ストレッサー」や「ストレス刺激」と言います。

ストレスというと不快な刺激を思い浮かべることが多いですが、楽しいことなどの強い快の刺激もストレッサーとなります。

ストレッサーには、生活や仕事で受ける心理的な刺激、温度・光・音などの物理的な刺激、酸素・pH・浸透圧などの科学的刺激があり、私たちはあらゆるストレッサーの中で生活しています。

ストレスと疲労の関係

疲労には身体的な疲れと精神的な疲れがあります。

身体的な疲れの場合、筋肉を動かすのに必要なエネルギー源(ブドウ糖やケトン体)と触媒として働くビタミンや酵素などが枯渇してくると筋活動ができにくくなり、結果として疲労状態になります。

これは骨格筋だけでなく、臓器を構成する平滑筋においても同様で、疲労は生体機能そのものの減弱を意味します。

 

また、エネルギー源を消費することで有害な疲労物質が体内に蓄積し、それが血液循環で脳に運ばれることで疲労感が認識され、意欲が失われるようにもなります。

こうした身体の疲れの場合は、休息を取り蓄積した疲労物質を取り除くことが疲労回復のポイントとなります。

 

精神的な疲れの場合は、ストレス刺激が許容範囲を超えてホメオスタシス(生体の恒常性)が崩れてしまった状態で起こります。

強いストレスや長期間続くストレスは、ホメオスタシスを崩し慢性疲労を引き起こす原因となるのです。

ストレスが心身に及ぼす悪影響

目や耳など五感から受け取った感覚情報は、脳の大脳辺縁系視床に集まります。

そして、初期警報システムである扁桃体に伝達され、その情報が脅威かどうかを瞬時に判断し、脅威であれば視床下部に伝達し自律神経を興奮させ、血流の増加・体温の上昇・発汗などの身体症状が表れます。こうして”闘争か逃走か”という状態にコントロールします。

こうした脳の反応から表れる、不眠やイライラなどの身体症状をストレス反応といいます。

 

前述したように、過度のストレス反応や長期間続くストレス反応によって起きる精神的な疲れからの身体のだるさ・疲労感というものを感じるようになります。

 

また、初期警報システムである扁桃体の過剰な反応がうつとも関係しているとも言われています。

ストレスとホルモン

情動は神経系のほかに内分泌系も関係しています。

内分泌細胞によって血中に放出される化学物質をホルモンと言い、ホルモンはストレス反応と関係していることが生理学者ハンス・セリエ(Selye,H.)によって明らかにされています。

ストレスホルモン

ストレスを測定するとき重要視されるのは、コルチゾールというホルモンです。

副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンのひとつで、これはストレッサーにさらされると血液中に分泌されます。

コルチゾール糖新生(糖質以外からグルコースを生産する代謝経路)や免疫系の調整をする役割があり、こうした生理的作用によって、例えば外敵に遭遇した時に”闘争か逃走か”の咄嗟の反応ができるようになります。

 

平常時の身体面の調整はもちろん、危機的状況において危険から身を守るために認知機能にも影響を与え、心理面や行動面も調整する働きがあります。

ストレスホルモンは大切な役割を果たしているのです。

ストレス反応を少なくするには

同じストレッサーにさらされているのに、ストレス反応に差がある場合があります。

ラットの実験で同じタイミングで電気ショックを与え、一方は目の前の円盤を押し下げれば自力で電気ショックを止めることができ(ボタンを押せば電気ショックを止められる)、もう一方は目の前の円盤はダミーで電気ショックを止めることができないという状況にした結果、ストレス反応時に増加するノルアドレナリン代謝物が多かったのは電気ショックを止められなかったラットで、電気ショックを止められたラットは電気ショックを受けていないラットと同程度の少ない量しか分泌されませんでした。

 

この結果から、ストレス刺激を受けたとしても、自ら対処できるとわかればストレス反応は比較的少なく済むことが示唆されます。

 

ストレッサーになるのもについてよく理解し対処方法を身につけておくことが、不安感を和らげる一つの方法と言えるでしょう。

自己肯定感がストレス耐性を上げる

自己肯定感が高いとストレスに対する耐性が上がると言われています。

そのためには、否定されない環境を作ることが大切です。

 

  • 否定されない
  • 自分の意思が尊重される
  • 失敗を咎められない
  • 他人と比較されない
  • できていることをちゃんと評価される
  • 成功体験を積むことができる
  • 自分の成長を実感できる

 

これらは、子育てや社員育成などの場面で他者に対して行うことではありますが、自分自身に対してもこうした環境づくりは心がけられるものだと思います。

例えば、上記と逆のことをしてくる人から可能な限り離れる、自分で自分を否定したり他人と比較したりしない、小さな成功や達成感に目を向け頑張っていることを実感する、などです。

こちらの記事もチェック!

『ストレスコーピングとは~ストレスの乗り越え方を知って元気になろう!』 - ぐろーいんぐあっぷ!

『折れない心を作るためにレジリエンスを高めよう!』 - ぐろーいんぐあっぷ!

その他

運動やトレーニングによる疲労や心身のストレスによって胃腸の調子が悪くなると、アスリートはベストパフォーマンスを発揮できない。そうした傾向が見られることから、腸管機能の低下と骨格筋修復の関連について研究された論文があり、その研究結果からプロバイオティクス(乳酸菌など)の摂取により骨格筋修復過程が改善されることがわかっています。

 

プロバイオティクス自体が作用しているのか、胃腸の調子が整うから筋肉の修復が促進されるのかはわかりませんが、疲労回復の補助としてプロバイオティクスを取り入れてみるのも一つの方法かもしれませんね。

最後に

ストレス反応としてご紹介したのは、"闘争か逃走か"という「動」の反応でしたが、”凍結反応”と呼ばれる「静」の反応もあります。捕捉者と出会っても距離があり、まだこちらの存在に気付かれていなければ、じっと身動きをしないすくみ行動が生存率を高める場合もあり、体の内部では、心拍は普段以上にゆっくりになり、筋肉も緩むという反応が起きています。その一方で血圧は上昇するなど、この反応はいつでも"闘争か逃走か"という状態に移れるように準備されています。

ストレッサーというものを目の前にしたときに、私たちの身体は考えるよりも先に危機回避のためにこうしたさまざまな反応を瞬時に行います。

 

しかし身体の仕組みはとても複雑で、ストレッサーによって起きる反応について、そのすべてが解明されているわけではありません。

そんな中でも、現在解明されているものから学び取ることで、ストレスコーピングやアンガーマネジメントを考える機会になります。

ストレッサーの調整をしたり、ストレッサーへの対処方法を身につけたり、自分の考え方や捉え方を見直して認知のゆがみを修正し自己肯定感をたかめたり。

また、生活習慣を整え、身体の調子をよくするように心がけることも、ストレスと向き合っていくためには重要です。

こうした丁寧な生き方が、あなたの疲労感を軽くしてくれるのです。

 

まずは今日出来そうなことをひとつ、やってみるのはいかがでしょう?

 

 

<参考>

自律神経を整えたいなら上咽頭を鍛えなさい 脳の不調は鼻奥から治せ (健康美活ブックス)

最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方 (SB新書)

神経・生理心理学 (放送大学教材)

心理学ワールド 86号(2019.July)「コルチゾールからストレスを知る」

MSD マニュアル家庭版 心と体の相互作用

身体的・精神的ストレスにおける腸管機能低下が骨格筋に及ぼす影響について

疲労とストレス

一過性ストレス

ストレスはどのように健康に左右するのか:その心理社会生物学的メカニズム

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

 

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