こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
悲しいこと、楽しいこと、人生は色々なことがありますよね。
今が辛いならその状況から逃げ出したくなるし、今が楽しいならその状況を手放したくなくなります。
色々な経験を積み重ねながら、私たちは「人生とは?生きる意味ってなんだろう?」そんなことを考えたりします。
その答えはきっと、人それぞれ違うのだろうけれど、誰かの答えからヒントを得たくなったりもしますよね。
子どもたちはまだ人生を歩み始めたばかり。
大人よりもっとわからないことが多いし、漠然と生きています。
そんな子どもたちにも、この先の人生をどう生きていくか、少しずつ教えていくことが大切ですよね。
今回は、大人にも子どもにも人生のヒントを与えてくれる素敵な長編絵本をご紹介します。
メメンとモリ
作 :ヨシタケシンスケ
発行:2023年5月31日 KADOKAWA
とある姉弟が生きていく中でふと気になることを語り合うお話。
長編絵本ですが、3つのテーマに分かれた三部制です。
ヨシタケシンスケさんの世界観にどっぷり浸りたい方にオススメです。すごく引き込まれるのであっという間に読み終えてしまえます。
登場人物
・メメン(姉)
・モリ(弟)
あらすじ
1.メメンとモリとちいさいおさら
2.メメンとモリときたないゆきだるま
3.メメンとモリとつまんないえいが
この3部を通してメメンとモリの姉弟が語り合います。
ちょっとそそっかしくて情熱家のモリに冷静な姉のメメンがものの見方の広がりを教えてくれます。
第一部のお皿編では、メメンが作ったお皿を割ってしまったモリがメメンに謝るところから語りが始まります。
「どんなものでも、いつかは壊れたり無くなったりする」
「ずっとそこにあることよりも、一緒に何かをしたことの方が大事じゃない?」
自分たちの命もまた同じだと言うメメン。
「面白いことをたくさん考えて」
「おいしいものを食べて」
「すきな歌をおぼえて、歌って」
そんな風に生きるのも良いし、
「明日で終わっちゃうかも」って一生懸命過ごしたり、
「そのうち何とかなるさ」ってのんびりやったっていい。
自分で選べることと選べないことを見分けて、選べることは自由に選べばいい。
選べないことはそのままを受け止めていく。
そんなことを教えてくれます。
第二部の雪だるま編では、雪だるまが主人公。
この雪だるまは雪が少なかったから、ちょっと汚い。
「なんか、みんながボクをみてガッカリしてる」
誰も悪くないけれど、誰も幸せじゃない。
そこから雪だるまは「もしも人間だったらこうしよう」と色々考えます。
同じようにガッカリされる汚い雪だるまを探して、ぼくがして欲しかったことをその雪だるまにやってあげよう。
何をしてあげようかな・・・
そう考えていると、さっきガッカリした顔をしていた子どもたちが何かを抱えて帰ってきます。雪だるまの願いを叶えたのは、他でもないメメンとモリでした。
思いやりの連鎖を感じられる優しい物語です。
第三部の映画編では、つまらない映画を観て損をした気分になったモリにメメンが「楽しい方がいいだろうけど、楽しいことはなくても大丈夫なんだ」と教えます。
「楽しまなくちゃいけないわけでも、幸せでなくちゃダメなわけでもないんだよ」
何のために生きるのか、人生とは何なのか。
「自分の中のイメージ」と「現実」とのズレに驚きながら、バランスをとりながら生きる私たち。
“思ってたのとちがうから、世界はつらいし、きびしいし、たのしいし、うつくしい。”
色々な捉え方をしながら、世界を感じていく。
そんなことに気付かせてくれる物語です。
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3部を通して、肩の力を抜いて生きていくこと、ありのままを感じながら生きていくことを教えてくれます。
説明的ではなく、なんとなく心で受け止められる。
そんな優しいお話が、私たちを生きやすい生き方に導いてくれます。
何度も読みたくなる素敵な絵本ですよ。
最後に
「メメント・モリ」 (Memento Mori)とは、ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味です。「今を楽しめ」や「生を楽しむ」という意味もあるそうです。
「生きること」は、時に上手くいかないことや不満に思うこと、悲しいことがあります。
自分の中に現れるモヤモヤから逃げてしまうことだってありますよね。
逃げることも自分を守るために必要です。だから、逃げたっていい。
しかし一方で、いつまでも逃げ続けているわけにはいかないのも事実。
そんな時は「メメント・モリ」を思い出し、後悔しないように向き合っていく覚悟を持つこともまた大切なのだと思います。
あなたが本当に求めていることはなんでしょう。
それを諦めず、生きることを楽しんでみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございます
<ご紹介した絵本はこちら>
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