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~自分の心・相手の心を理解して笑顔あふれる毎日を~ 心理カウンセラー松田ちかこのofficialブログ

非行や問題行動について書かれた本を紹介します

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

11月は児童虐待防止推進月間ということで、不適切な養育や虐待を受けるなどして、非行の問題を抱えたり、精神疾患や問題行動で家族が対応しきれなくなった子どもたち(元子ども)のサポートをしている方々が書かれた本を紹介したいと思います。

 

 

 

 

虐待や非行の問題を抱えた子どもたちの現実

今回ご紹介する本は、どちらも鈴木マサカズさんによって漫画化されている本です。

マンガだとよりイメージしやすく、内容も理解しやすいと思います。

 

事実をもとに書かれたものなので、とてもセンシティブな内容です。しかし、私が以前勤務していた児童相談所一時保護所には、ここに描かれている様々なケースに近い問題を抱える子どもたちがたくさんいました。

 

これは、ほとんど報道されない事実です。

虐待死などの事件でニュースになるものも、おそらく事実の一部しか報道されていません。現実はあまりにも受け入れ難いものだからです。

 

保護されてきた子どもたちは、そんな悲しい事実を抱えているようには見えないほど、どこにでもいる"今どきの子ども"の顔をしています。

しかし、ふとした瞬間、精神的に崩れ、急に怒ったり泣いたりします。

時には、自傷行為・他害(暴力や暴言、物を投げたり、部屋を荒らしたり)、立てこもりなど、問題行動を起こします。

彼らをどう受け止め、どう向き合っていくか。精神力がかなり問われます。

 

一時保護所だけでなく、その先にある「児童養護施設」「児童自立支援施設」「少年院」の職員や関係者も同じように、また、それ以上にこうした子どもたちとの向き合いに心を砕いています。

 

子どもたちやその保護者の現状や児童福祉に携わる人々が抱えるものをこれらの本から少しでも知っていただきたいなと思います。

ケーキの切れない非行少年たち

主に境界知能(おおむねIQ71以上85未満の知的水準 ※知的障害はIQ70以下)や神経発達症(発達障害)を抱える子どもの非行について描かれています。

 

サポートが必要な子どもたちに必要なサポートが行き届かない。それどころか、こうした子どもたちは "扱いが難しい" と虐待や不適切な養育を受けていることが少なくありません。

そうした環境から非行の道に流れてしまうのは、必然と言えるでしょう。

 

児童精神科医である宮口幸治さんが、医療少年院や女子少年院に勤務していた時の経験をもとに書かれたこの本をぜひ読んでみてください。

 

マンガはこちら

 

原作本はこちら

「子供を殺してください」という親たち

精神を病み問題行動を起こす人とその家族について描かれた本です。
 
過度の教育圧力、精神的な異常を見過ごす(見ないふりをする)家族、なんでもお金で解決しようとする親・・・など、精神疾患の背景にある家族の闇と病理に目を向け、本人を精神疾患の苦しみから少しでも抜け出せるよう奮闘する著者。
「死」がコントロールできないように、「命」を創り出した結果もまた、どこに行きつくか分からない。そのことに対して、我々はもっと畏怖(いふ)の念を持つべきだ。その大いなる畏れがあれば、子供の進学先や就職先ばかり気にするような薄っぺらい子育てにはならない。親が子供に与えるべきは、何よりも生きる力であり、生き抜く力だ。
(「子供を殺してください」という親たち 漫画版 あとがきより抜粋)
 
トキワ精神保健事務所の押川剛さんが自身で行う「精神障害者移送サービス」で向き合ってきた、精神を病んだ人とその家族のエピソードをノンフィクションで伝えられているこの本をぜひ読んでみてください。
 
マンガはこちら

 

原作本はこちら

最後に

こんなことが現実にあるのか・・・と衝撃を受けるかもしれません。

しかも "ごく一部の特殊な事例" ではなく、どこにでもある誰にでも起きることです。

困っていても、助けを求めることに躊躇したり、徐々に変化することで病理に気付かずそもそも問題とは思っていないこともあります。

さらに、大きくなってしまった問題に対処できる援助者が多くはいないという現実もあります。

それ故に、世間では闇に埋もれてしまうのでしょう。

 

ペアトレや電話カウンセリングを行っていても、こうした問題につながりそうなケースに出会うことがあります。

できうる限り関係改善につながるサポートを行いますが、限られた時間の中で自分がどれくらい力になれているのだろうか・・・と悩むこともあります。

「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ。」

本人が変わろうと心から思い、行動を起こさなければ変わるものも変わりません。

周囲ができるのは、変化のきっかけをできるだけ受け入れやすく提供すること。

しかし、これが非常に難しいことでもあります。

でも諦めず、日々ブラッシュアップしながら、志を同じくする仲間を集めながら、支援を行っていきたいと思います。

 

こちらの記事もチェック!『虐待をみんなの力で防ごう~児童虐待防止推進月間~』 - ぐろーいんぐあっぷ!

 

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◆ 『子どもたちを笑顔にする保育』

◆ 『学校では教えてくれない 子ども支援のいろは』

◆ 『新人放デイ職員のためのお悩みQ&A』