こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。
格差社会が叫ばれるようになって久しいですが、近頃はコロナ禍でその差がさらに拡大したと言われていますね。
環境が変化する中、その変化に適応できる家庭と適応できない家庭があり、子どもたちの養育環境にも大きな影響を与えています。
こうした社会で育つ子どもたち。
大人以上に大きなダメージを受けている子が多いなと痛感する日々です。格差社会が無抵抗な子どもたちに与えている影響とは何かについて考えたいと思います。
格差社会
格差社会とは、収入や財産によって階層化が生じ、階層間の移り変わりが困難な状態になっている社会のことをいいます。
現代社会で「格差社会」という言葉を頻繁に目にするようになったのは、2000年頃から。
高度経済成長期(1954年~1973年)は収入の差が減り、経済格差は少なかったため「一億総中流社会」と言われていました。「一億総中流」という思想はバブル経済の頃まで続いていましたが、現実は高度経済成長期が終わった数年後から格差社会が始まっていたと言われています。
しかし、ほとんどの人がその事実に気付くことはなく、バブル経済でより一層格差が広がりました。バブル崩壊によって景気の低迷にようやく気が付き、少しずつ格差社会が叫ばれるようになりました。
格差社会では、エリートの子どもしかエリートになれないというように親の所属階層を子が継承しやすい構造が強まります。「努力すれば結果はついてくる」という社会から「努力しても仕方がない」という社会になるため、ますます格差が生じてしまうのです。
経済的に豊かな家庭の子どもは恵まれた教育を受けることができます。
幼児教室や様々な習い事、学校での勉強や受験の対策として学習塾に通う、家庭教師を雇う、ドリルや通信教育を購入するなど、金銭的な余裕があることで、教育機会が増え、質を上げることができます。
地域の学校教育だけを受けている場合と差がつくわけです。
また、発達障害などの療育支援にも同じことが言えます。
放課後等デイサービスなどは受給者証に提示された回数や金額の範囲で利用することはできますが、個別で療育支援をしている教室やカウンセリング、ペアレントトレーニングなどの利用は金銭的な余裕がある家庭しか利用できません。
今の社会の仕組みの中では、そうした特別な療育や親支援が受けられるかどうかで、子どもの育ちも変わってきます。
恵まれた教育や療育を受けて育ったことで、自分の能力を発揮しやすくなり、社会でも活躍することができるようになる。社会で活躍できるということは、収入もまた安定して得られるようになる、という好循環に繋がるのです。
そうしたものが得られる機会の少ない貧困層は、困りごとを解決する手段や情報を得られず、子どもに適した教育や療育を受けさせられないまま育てることとなります。
そのような状態では子育てで生じた問題を解決しないまま問題がさらに積み重なり、また親が精神的に余裕を持つことができないため子どもへの関わりも不適切になる場合が多く、子どもの行動に問題が生じやすくなります。
学習が定着しないと学校にも行きづらくなり、不登校になりやすくもなります。家庭内のさまざまなストレスから精神疾患を患ってしまうと、子どもは中長期的に苦しみの中を生きなければならなくなります。こうした状態に陥ってしまうと、子どもは自分の能力を十分に発揮できず、社会で思うように活躍することも、収入を十分に得ることも叶いづらくなるという悪循環が生じるのです。
こうした悪循環は世代を超えて連鎖します。そして虐待や非行、犯罪に手を染めやすくもなります。虐待や非行、犯罪といったものを減らすためには、負の連鎖に終止符を打つことが求められるのです。
現在表れている問題・・・トー横キッズ
現在、格差社会がもたらした子どもの問題の一つとして、トー横キッズ問題が挙げられます。
トー横キッズ(トーヨコキッズ)とは、新宿歌舞伎町の東宝ビル横に集まる10代の若者たちのことです。2020年ごろから増え始めたと言われており、援助交際・パパ活など犯罪の温床になっています。大阪ではグリ下(グリコの看板の下)に同様の現象が起きているようです。
少し前に話題になった”地雷系女子”と呼ばれる子が集まり、トー横にいる男の子やホストに貢いだり、集団自傷をしたりと、心を病んでしまった子が集まっている言われています。
彼らは親との関係が悪く、家にも学校にも居場所がない子が多い。
2020年ごろから増え始めたことを考えると、コロナ禍による家庭の経済状況の悪化で親世代も子どもに手をかける余裕がなく、親子関係が悪化してしまった家庭が増えたことが考えられます。
格差の広がりは、子どもたちの安心・安全を奪い、心と身体に傷を負わせてしまっています。
貧困の連鎖を断ち切るために
こうした子どもたちが大人になると、彼らは自分の親と同じような生活を送るようになります。他の環境を知らないので、そうならざるを得ないのです。
十分な教育が受けられない・学校でわからなかったところを補う機会がない、親と適切な関係を築くことができない、人との関係をうまく築くことができない。こうした環境を背景に学力は伸びず、進学や就職の選択肢が狭まった彼らは、満足な収入が得られない状態となります。
そうすると、自分の子どもにもまた自分と同じような環境を与えることになってしまうのです。
彼らがこの連鎖から自力で抜け出すのは困難です。
こうした環境にいる子どもたちに社会が手を差し伸べ、一人の人間として生きていく力をつけるための教育を提供し、進学や就職の機会を増やすこと、また、信頼できる大人との関係を築くことが必要なのだと思います。
最後に
必ずしも所得が多いから適切な教育や療育ができるとか、所得が少ないから問題を抱える子になるというわけではありません。
子育てには様々なことが絡み合っているので、経済格差だけで判断できるものではありませんが、傾向としてこうしたことが言えると言われています。
現在の社会構造では、生じた問題に対して対処療法のような制度しかなく、困っている人を根本的に救い上げることは困難です。
だけど、子どもたちの教育環境は制度としてもっと充実させられるものだと思います。
首相が変わったところではありますが、制度を作る方々にはこれから大人になる子どもたちのために教育を充実させることの必要性を感じていただきたいなと思います。悲しみを抱える人を減らし、笑顔で溢れた社会になることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございます
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